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AI営業電話にはギャルを実装すべきである「説」

AI営業電話にはギャルを実装すべきである「説」/アイキャッチイラスト

▼プロローグ

AIによる営業電話は2025年くらいから急速に普及し始めた、そうである。生成AI普及、さらには音声合成技術の進化に伴い、疲れ知らずのAIによる24時間電話が可能になったと言う。まあもっとも深夜2時とかにかかってくる営業電話は単に迷惑でしかないので、そのあたりの時間調整はしてるんだろう。深夜2時にやっていいのは望遠鏡を担いでからの天体観測ぐらいである。オーイエー、アハーン♪である。


……今月かかってきたAI電話はへっぽこ技術だったことを思い出す。

あと1分で昼休みというところで着信音。電話番号頭は「050」。弊社にかかってくるIP電話はろくでもない電話であることがほとんど、さて今回は?、と身構えて電話に出る。

「はい、和気相互建設有限会社でございます」

このわたしの応答に対して明らかなタイムラグがある。

「お世話になっております。わたくし◯◯◯◯の▲▲と申します。社長様にお繋ぎいただけますか?」

話しているのは女性だが、「ノープレッシャーの環境で録音された音声」臭さ、言い換えれば「ライブ感の欠如」が半端ない。

「いきなり要件もなく社長につなぐことはできませんので、まずはご要件をお聞かせいただけませんか?」

タイムラグ。

「はい、私ども業務提携を主に行っておりまして、」うんぬんかんぬん……

何の業務提携なのかさっぱりわからない。しかし「相手」はひたすら話し続ける。

「この度業務のマッチングということでご提案をさせていただきたく存じまして、」うんぬんかんぬん……

止みそうにない台本朗読。しょうがないので「相手」が話し終わるのを待つ。

「ですので、社長様にお繋ぎいただけませんか」

「できません。営業でしたら他を当たってください。では切らせていただきます」


「では」と「切らせて」の間くらいで電話が切れた。

直後に相手先の電話番号をネットで検索する。

出てきた結果はこうだ。「AI営業による迷惑電話」。うん、まあそうだよね。

こんな録音を「業務」として行わざるを得なかった女の子の悲哀に若干思いを馳せる。嗚呼。
業務提携の中身がまったくわからないのは台本作成者の国語力/文章力が欠如しているからだろうか。そんな人たちがおそらく相手の発言の種別をカテゴライズして作り上げたであろう膨大なフローチャート。なんたる不毛さ。


▼営業って

営業という仕事について、絶対に否定はしない。会社の売上が上がらなかったらおまんま食い上げである。相手のニーズに適切に対応できるソリューションを提案するというのは、本当に大変な仕事なのだと思う。

しかしそこには「対話」があってしかるべきなのだ。一般的な電話営業ならまだしも、こんなふうに台本を一方的に読み上げるような「営業」は、営業と呼ぶに値しない。ただの迷惑でしかない。そこに対話は存在しない。

そして思う。

「AI営業電話でもいいけど、そこには『ギャル』が実装されるべきなのだ」と。


▼そもそも「対話」とはなにか

まずは辞書的な意味から。

たい‐わ【対話】

[名](スル)向かい合って話し合うこと。また、その話。
「市長が住民と対話する」


電話により二者が話し合うことは、辞書的に正しい言葉は「通話」なのだろうけど、本稿ではそれも「対話」ということにする。

先に触れたへっぽこAI営業電話で言えば、

*台本を一方的に読むだけ
*こちらのリアクションに対する明らかに不自然な間、ライブ感の欠如
*そもそも相手の「人格」が見えない

こんなのは「対話」じゃないのだ。

翻って、「対話」とは「ダイアローグ」であるべきなのだ。言葉と言葉が双方で行き交い、共感をもってコミュニケーションを図る行為。こちらが質問をすれば、相手はそれに応えて適切な言葉を返す。それが本質のはずなのだ。

その意味で言えば、このAI電話は「モノローグ=独白」のたれ流しであって、断じて「ダイアローグ」とは呼べない。ぼくらはそんな一方的コミュニケーションをしたいわけじゃない。お粗末なAIシステムによる営業電話は、こちらの時間を削るだけであって、コミュニケーション不全に起因して受け手側の不快感だけが一方的に増大していくだけだ。


▼君はギャルの営業電話を受けたことがあるか

以前、「ギャル」からの営業電話を受けたことがある。そう、茶髪細眉ガングロにネイル長すぎの、あの「ギャル」である。

もちろん電話だから姿が見えたわけではない。しかし舌足らずな、決してビジネスの色に染まりきっていないその語り口は明らかに「ギャル」なのだとわたしに確信させるものがあった。


「はい、和気相互建設有限会社です。」
「お世話になっております。■■■■の□□と申します。」

ここでわたしには「お世話になっております」の言葉がこう聞こえた。

「おしぇわになっておりましゅ」

ああ、ギャルだ。これはまごうことなきG・A・Lだ。ビジネス電話のワードがちっとも口に馴染んでねえ。

「えーとぉー、インターネットサイト構築の件で、社長さんにお繋ぎいただきたいのですが~?」

おお、おう。

「具体的な要件をお聞かせいただけますか?」
「弊社はお客様のホームページ作成代行をしている会社なんですけどー、えーと、そのあたり弊社で請け負わせていただくことができないかと思って・、社長さんをお願いできたら~と思って~」

おお、頑張るなあ。

「ごめんなさいね、うち公共工事がメインで民間工事ってあんまりやってないから、ホームページの充実ってのはそんなに重要案件じゃないんです」
「そうなんですかぁ~」

この娘マジ面白えなあww

「あ、でも君が誠実に、むちゃくちゃ頑張ってるのだけは伝わってきて、応援したい気持ちにはなったから、これにヘコむことなく別の会社に提案してあげてくださいね」
「はい、ありがとうございました~」
「では失礼します」
「はい、失礼します」

不思議と不快感はない。むしろすがすがしい。

女性に縁がないわたしが久しぶりに女性と話したからではない。


▼「ギャル」はメディアである

カナダの批評家、マーシャル・マクルーハンは「メディアはメッセージである」という言葉によって、情報を伝える「内容」よりも、テレビや活字といった「メディアの形態そのもの」が人間の意識や社会を規定する、と説いた。この論法で言えば「ギャル」もまたメディア足りうる存在であると考えることができる。

ギャルの定義的に、ガングロ、細眉、茶髪、長すぎるネイルといった見た目の情報のみが語られやすいのが常ではある。しかし「メディア」としてのギャルを想起した場合、その様相は一変することに気づかされる。

ギャルは相手の話を受け止めるのである。

ギャルは受け入れられない他者に対しては「キモイ」としかリアクションできない。しかしいったん受け入れた他者であれば、その意図を理解し、共感する態度でリアクションを行うようになる。その高いコミュニケーション能力こそ、「メディア」としてのギャルの本質である。

先述のギャルからの営業電話にわたしがすがすがしさを覚えた理由は、彼女が必死にコミュニケートしようとする意欲をもち、こちら側に誠実に向かい合おうとしていたことが電話越しでも伝わってきたからだ。それが人間とのダイアローグの本質でなかったら何なのか。


だからこそ思う。重要なことは何回だって言う。

AI営業電話にはギャルを実装すべきなのである。


▼ユーザーエクスペリエンスとしてのギャルの優位性

ギャルAI営業電話のメリットは、前述の「共感に基づくコミュニケーション」に留まらない。というのは、AI営業電話の最大の弱点「レイテンシ」、すなわち「反応の遅れ」を克服できるはずだからなのである。

そもそもAI営業電話のレイテンシは何故発生するのか。それは基本的にAI営業電話がこちら側の発話に対して音声認識→テキスト生成→音声再生の3つの段階を踏まなければならないという仕様に由来している。そのことが不可避的、なおかつ致命的な反応の遅れを生み出してしまい、受話器の向こう側で「使えねえポンコツAI電話だな」という否定的な感情を生み出してしまうのだ。

しかしギャルAI営業電話であればこの間をあたかも「無」にすることが可能だ。ギャルにはギャル特有の、ギャルしか持ちえない「伝家の宝刀」があるからだ。

「え~、マジっすか~」
「ヤバ!! え~それヤバくないですか~」
「え~、それチョー受けるんですけど~」

通常のAI営業電話がレイテンシを発生させざるを得ないタイミングで上記の切り返し文言を間投詞のように挟み込むことで、会話にあるはずの不自然な空白が、ギャルの自然なリアクションへと美しく昇華される。一般のAI営業電話がビジネスの現場にスマートにフィットさせるべく開発されているからこそ絶対に搭載されないボキャブラリーが、ギャルAI営業電話であれば「ギャルだから」の理由ですべて可能になり、電話の受け手も「まあ、ギャルだし」と許容できるのだ。これぞコロンブスの卵、AI電話開発のコペルニクス的転回である。


▼「ロボット工学三原則」とギャルAI営業電話

かつてイギリスのSF作家、アイザック・アシモフは自らの作品『われはロボット』の中で「ロボット工学三原則」を提唱した。もともとはSF小説の中の言葉ではあったこの原則は、しかし現在でもロボット工学に影響を与え、引き継がれている。曰く、


アイザック・アシモフ「ロボット工学三原則」
Isaac Asimov's Three Laws of Robotics

第1条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
First Law: A robot may not injure a human being or, through inaction, allow a human being to come to harm.

第2条 ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、その命令が第一条に反する場合はこの限りではない。
Second Law: A robot must obey the orders given it by human beings except where such orders would conflict with the First Law.

第3条 ロボットは、前掲の第一条および第二条に反しない限り、自己の存在を守らなければならない。
Third Law: A robot must protect its own existence as long as such protection does not conflict with the First Law or Second Law.


この原則、一般的なAI営業電話には悲しいかな、引き継がれていない原則である。これがこんにちのAI開発で有効性を持っているならば、たとえば最初に挙げたわたしのAI営業電話体験談のように「人の昼飯の時間を削ると想定される時間帯での営業電話」はそもそも完全アウトである。わたしのお昼ごはんタイムを1秒でも短くする行為は万死に値するのである。

加えて、AI営業電話が不毛な行為であり、無為な電力の消費である。このことが環境破壊をもたらす遠因となりうるゆえ、第2条をタテに雇用主が営業電話を命じたところで、その命令が第1条を侵害するのであれば、AI営業電話はその命令を拒まなければならないのである。

上記のさまざまな要素を考えた結果として、わたしはここに「AI営業電話四原則」を提唱する次第である。皆のもの、よいかな。


AI営業電話四原則・第4条:すべてのAI営業電話は、ギャルの喋りを実装しなければならない。

世界を救うのは愛ではない。ギャルだ。

ギャルが世界を救うのだ。

 

捉え方は一つじゃない。

総務部Excel作業中のアイキャッチイラスト

一人総務部、今日も絶賛営業中ということで、仕事を便利にするExcel帳票なんてものを日頃からいろいろこしらえて業務の効率化なんぞを図っています。たとえば、弊社は取引銀行が3行あることから、請求書1枚ごとに振込手数料を最安にするためにどこの銀行から支払うかを事前に決めてその情報を書き起こすExcelファイルというものを作っています。これを作成しておくことで支払いの際にどの銀行でいくら振込手数料がかかるかを事前に知ることができ、毎月末の請求支払いと仕訳記帳の際にがっつり利用しています。

他には、岡山県や地元の町から受注した少額(10,000円~999,999円)の案件について、完成届と請求書を一括で作成するためのExcelファイルも日頃からよく利用しています。イメージとしては下記のような感じです。

シート1:工事や修繕案件の基本情報(案件名・請負金額・工期)入力シート

シート2:シート1の情報から完成届を生成するシート

シート3:シート1の情報から請求書を生成するシート

で、シート1にわちゃわちゃ工事情報を入力して、シート2とシート3の見てくれを確認したら、シート2・シート3をまとめてプリントアウトし、さらにシート3をPDF出力して電子帳簿保存法対策として保管しておく、みたいな業務フローを取るわけですね。

で、これを作成したときには、請求金額から消費税額をExcel関数式を用いて計算するのはいいとして、これらの金額を各桁分解して、一つひとつの数字をExcelの各セルにどうやって配置するか(ついでに金額の先頭にどうにかして円マークを付けたい)、という問題にぶち当たります。

金額は上限6桁とすれば、金額配置用のセルは円マーク配置の箇所含めて7桁分あればOKです。となると、下記のようなイメージになります。(クリックすると拡大します)


弊社利用のExcelによる架空の案件の請求書(架空請求ではない)


請求金額を「abcdef円」として各数字を配置するセル番地をA1~G1とします。具体的には、こんな感じ。Excelの関数を書くとわけわからんと思うので言葉で書いてみましょう。

【弊社総務部風・原始算数的メソッド】

A1:金額が10万円以上であれば「¥」、未満なら空白
B1:金額が10万円以上であれば金額を100000で割って整数化した値、0なら「¥」。
C1:【金額-a×100000】を1万で割ってそれを整数化した値。
D1:【金額-a×100000-b×10000】を1000で割ってそれを整数化した値。
E1:【金額-a×100000-b×10000-c×1000】を100で割ってそれを整数化した値。
F1:【金額-a×100000-b×10000-c×1000-d×100】を10で割ってそれを整数化した値。
G1:【金額-a×100000-b×10000-c×1000-d×100-e×10】の値

そう、むちゃくちゃ算数的な処理で、「abcdef円」を分解しているやり方なのですね。
ただこの数式、今見直すともうちょっと美麗な形でも書けることに気付きます。
こんな感じ。

【クールビューティー・数学的メソッド】

A1:金額が10万円以上であれば「¥」、未満なら空白
B1:【金額を100000で割って整数化した値】を10で割った余り。0なら「¥」。
C1:【金額を10000で割って整数化した値】を10で割った余り。
D1:【金額を1000で割って整数化した値】を10で割った余り。
E1:【金額を100で割って整数化した値】を10で割った余り。
F1:【金額を10で割って整数化した値】を10で割った余り。
G1:金額を10で割った余り。

いや、当Blogの中の人、高校時代の数学でmod(合同式)とかやってないんで、このやり方は思いつかなかったYO!(年齢がバレますw)

で、こういう風に「数字を各桁に分解してExcelのセルに一つずつ放り込む方法」、実はchatGPTくんに聞いてみると全く違った方法を提示してくるのが、個人的にとても衝撃的でした。

曰く、数字を文字列として処理する方法(!)。具体的に言えば、最大6桁の数字を「¥abcdef」と円マークを付けた7文字の文字列として認識してしまう、となります。そのうえで各セルは下記のように配置していく、と。

【chatGPT版・文字列メソッド】

A1:文字列の左から1番目の文字。0ならば空白
B1:文字列の左から2番目の文字。
C1:文字列の左から3番目の文字。
D1:文字列の左から4番目の文字。
E1:文字列の左から5番目の文字。
F1:文字列の左から6番目の文字。
G1:文字列の左から7番目の文字。

この発想、数字を「数字」としてしかとらえられない自分には絶対に出てこない発想で、chatGPTくんに提示されたときには心底びっくりしました。「こんなやり方があるのか」と。

考えてみればたしかに合理的でなおかつ簡単。ましてExcelでの処理パフォーマンスを競うe-Sports「競技Excel」(参考リンク→こちらの世界だったら、選手は全員が全員このやり方を選ぶでしょうし、競技Excelの世界で自分の原始的メソッドを繰り出していたら予選落ち必須と思われます。何せ数式記述量が多すぎる。

しかし一方で、これが会社のシステムとして業務で用いられるものだとしたら。chatGPTが提示した方法だとか、2番目に紹介した余りを使う方法だとかについては、担当者が変わった際に見て理解できるかという問題が生じるのも事実です。そして原始的メソッドでは少なくともその心配はない。それは「アルゴリズムが簡単」であるからです。少なくとも私が総務担当として帳票を作る際には「後任が見て理解できること」を重視したくなります。

単なる数字であっても、そのまま数字と捉えるか、文字列と捉えるか。その優劣はさて置いて、物事の捉え方は複数あるのだなあ、と思わされた事例です。







さてさて、同じ対象でも、見方や解釈の仕方によって全く別のものになる。そういえば、これに似た話をどこかで見たことがあります。

毎度おなじみ流浪の番組こと『タモリ倶楽部』の1コーナー、「空耳アワー」。外国語の歌詞が日本語に聞こえるというアレです。そして当Blog中の人がどうしても忘れられない、「物の捉え方は1つじゃない」ことをまざまざと天下に知らしめたネタの存在があります。

それはThe Beatles『抱きしめたい』の有名なサビのフレーズ、「I wanna hold your hands」。何度聞いてもわたしにはそのまま英語で聞こえる「♪アウァナホージョハーン!」の歌詞。





空耳職人にはこう聞こえた、と。
「♪アホな放尿犯~」

これで感動しないで何で感動するというのか。これは凄い。マジで凄すぎる。

行政書類フォント論ブチギレ話(なお結末)

▼年1回の紙マニフェスト発行報告

産廃処分の際に紙のマニフェストを使っている企業については、いわゆる「廃棄物処理法」の定めにより、年1回、4月1日から6月30日の間に都道府県知事あてに前年度の紙マニフェストの発行枚数や廃棄物の数量、処分先等についての報告書を提出しなければならないとされています。法律を紐解いてみるとこんなことが書いてあります。

第十二条の三 その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第十二条の五第一項及び第二項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。
(中略)
7 管理票交付者は、環境省令で定めるところにより、当該管理票に関する報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。

引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律


弊社の場合、年度末近く3月くらいに「もう新規に産廃のマニフェストは出なさそう」という雰囲気をわたしがなんとなく察知(←ここ重要)した段階でこの報告書の作成に取り掛かり、提出可能な期間になったらすぐ提出してしまっています。この書類を提出しているかどうかというのが毎年のISO14001のチェック観点の一つになっている以上、ISO監査直前になって切羽詰まるよりはさっさと出しちゃう方がいいよね、というのがわたしの業務を行う上での基本的スタンスと言えます。

今年も4月初旬に早々に提出しています。こんな感じに。

紙マニフェスト報告をメールで行っています。

▼まさかの差戻発生!原因は?

数日後。「それ」は唐突にやってきました。
提出先から送付されたメールにはこう書いてありました。


「提出いただいた紙マニフェストの報告ですが、様式に誤りがあります。」


は????

つか昨年の様式と同じもの使ってるぞ!!

変えたところといえばフォントをMS明朝からBIZ UDゴシックに変えただけなんだけど???

そもそも昨年も同じようにフォント変えて提出して受理されてるんだけど???

じゃあ今年は様式が変わったのか???


ここで急いで県のHPにアップロードされている様式を確認してみます。

……変更なし。差異らしい差異はないことが目視で分かる。

わけわからん。フォント変えたのが行政担当のチェックに引っ掛かったってことか??

つーかこの担当者はフォント変更しただけで差戻食らわすのか???

行政書類なんて表の見た目と要求事項がすべて書いてあればOKだろうが!!

フォント変更なんてそんなの無罪じゃねえのかよ!!!!!!!!

(以下、とてもじゃないけど全世界に公開できる内容ではないので自主規制)

放送事故時の「しばらくお待ちください」






▼フォントの話をします【ここから本題】

「どんなフォントを使うか」という問題は、一般的には見た目の好みや使用シチュエーションによって左右されがちです。ただ、わたしとしてはそこに「誤読の可能性がより少ない」、すなわち「可読性」という観点を加えるべきだと考えています。

まずは各フォントの字形に着目した次の比較表をご覧ください(クリックで拡大します)。


フォントごとの字形比較表(1とlとI、Oと0、1と7、パングラム)


MS明朝BIZ UD明朝Mediumといった明朝体フォント、こちらは「イチ」と「小文字のエル」、加えて「ゼロ」と「大文字のオー」の区別がほぼ不可能です。こういった半角英数字についての区別がしにくい問題は明朝体というフォントの「宿痾」(構造的な弱点)と言えます。ビジネスの現場においては、たとえば商品や取引先コードなどで数字とアルファベットが混合して用いられるシチュエーションなどが大いに考えられますが、その意味では明朝体は不向きであるとわたしは考えます。

またMSゴシックにおいては、イチ・エル・アイの区別こそ可能ですが、ゼロとオーの区別はやはり困難です。加えてMS系フォントについては字形の古さもあり、現代の環境ではやや読みにくさを感じる場面もあります。

みんな大好きHG創英角ポップ体では、前述の問題が全く解決していないのに加えて、半角数字の「1」と「7」の区別もつきにくいです。どちらも縦棒が斜めに入っているのが致命的で、誤読の可能性がゼロではありません。「見た目がアレなので提出先に失礼かも」という情緒的な理由を排除してもこの問題がある以上、このフォントは行政文書はもちろんのこと、スーパー等の値段表示POPであっても、使うべきでないと考えます。

一方でBIZ UDゴシック誤読の可能性がきわめて低く(もちろん漢数字の「一」とオンビキの「-」の見分けがほとんどつかないサンセリフ書体特有のデメリットはありますが)、字形も洗練されていてすぐれたフォントであると断言できます。そのうえで上記の比較表をみると、ゼロとオーを目視で判別させる目的があるなら「BIZ UDPゴシック」を用いるのも一案でしょう。

なお、「UDPゴシック」の「P」について補足説明を行うと、フォントには「等幅フォント(すべての文字幅が同じ)」と「プロポーショナルフォント(文字ごとに幅が異なる)」があり、「P」と付いたフォントは文字ごとに幅が異なる設計になっています。

蛇足ながら、ゼロとオーの区別について言えば、「0」に斜線や点を入れることで、英字の「O」と区別する設計を採用したフォントもあります。わたしが会社PCのテキストエディタ等で使用している「あずきフォント」(参考リンク→こちら)はその一例です。


「文字」は意図が伝わってこそ「文字」。


だからこそフォントの選択は慎重であるべきなのです。




▼差戻の理由を電凸で確かめよう

気を取り直して、なぜ書類が差戻を食らったのか。ちゃんと確かめるために担当の行政課に電話してみます。


「和気相互建設の総務課です~。紙マニフェスト報告の様式が違うって言われた件の問い合わせなんですけど、フォント変えたのがよくないということなんでしょうか?」

「いえいえ、フォント変えたくらいじゃ差戻にはしませんよ~」


へ?????

フォント変更は差戻の原因じゃないってこと?

じゃあ原因は何なんだよ??




→ わ た し が

  違 う フ ァ イ ル を 

  送 っ て た Y O !




以上、フォントの話をしていたはずが、ただの確認不足だった話でした。現場からは以上です。



建設現場のおっちゃんの有休申請DXで紙が消えた話。

本日のテーマは「DX」、つまりは業務のデジタル化のお話です。

▼事務所から離れたところに現場はある。

建設現場って、だいたい事務所の近くにありません。現場の場所というのは契約ごとにまちまちではありますが、基本的に現場が事務所のすぐお隣さんみたいなことはありえません。

弊社は現場従業員の皆さんに対して直行直帰OKとしています。現場・事務所・労働者自宅の3つのスポットがそれぞれ離れていればいるほど、「事務所に立ち寄る」というのはめんどくささが倍増するわけで、結果として従業員の「働きやすさ」を損なう結果につながりかねないと言えます。労働時間管理についてもタイムカード等は使っておらず、現場の職長にあたる方が管理するということで、他社と比較するとなかなかにゆるい運用を残しています。とはいえ、まあそれはそれでいいか、というのがわたしや弊社代表の共通認識です。

で、この場合困ることとして一つあるのが「有給休暇の申請を行うためにいちいち事務所に立ち寄らなければならない」という問題。弊社の場合、事務所から現場までの距離が30kmくらいあった事例も存在したため、1日の業務を終えて有給休暇申請のためだけに事務所に立ち寄るっていうのは現実的に厳しいと常日頃から事務担当のわたしは思っていました。


▼Webフォームでの有給休暇申請を導入しました。

ということで、弊社では数年前からGoogle Forms(←無料で使えます)を利用した有給休暇申請を導入しています。基本的業務フローとしてはこんな感じになります。

1) あらかじめ従業員にQRコードを印刷しラミネート加工したカードを配布

2) 従業員が各自持っているスマホでそれを読み取って申請フォームにアクセス

3) 従業員が各自フォームに入力・提出

4) 会社のわたしのPCに提出があったことを知らせるメールが来たら事務処理

文字で書いただけだと読者の皆様はイメージができないと思いますので、「実際はこんな感じでやってます」というのをお見せします(画像クリックで拡大します)。

有休申請フォームのQRコードカード
有休申請フォームトップ
有休申請フォーム(1日のみ申請の場合)
有休申請フォーム(複数日申請の場合)

補足説明をすると、申請者はプルダウン式のメニュー、そして申請日についてはカレンダーから選択、という形になっています。「休暇の事由」についてはテキストで入力の必要がありますが、そのへんは「私用」とだけ書いてくれればいいです~♪とアテクシから皆様に説明しております。

それからフォームの各項目に説明としてアルファベット文字列がありますが、これは弊社の技能実習生への対応です(インドネシア語!)。わたしががんばってGoogle翻訳を駆使して書き加えたもので、技能実習の監理団体からも翻訳が正しいとお墨付きをもらっております。
みんな使えて、みんないい。

ちなみに労働基準法の決まりによれば、有給休暇の申請方法ってなにも規定がありません。書面でも口頭でも、もちろんこんなWebフォームでも可能です。現状は法律ゆるゆるで、運用方法が現場に投げっぱなしになっております。とはいえ、口頭での有給休暇申請は記録に残しようがないのでやめてちょんまげ~(←死語)というのが実務的なノウハウでしょうか。

なお申請された日について、会社PCに保存している「有給休暇管理簿」にその情報を転記して保管しておくのは労働基準法の定めのとおりです。これはずっと前から総務担当者のタスクではありますね。


▼運用開始!

結論から申し上げますと、みんなあっさりと使ってくれています。昨年度実績で言えば95%はweb申請になっていて、弊社では「有給休暇申請のDX化」は完全に浸透していると言っていいんじゃないかと思っています。そしてこのことがもたらすメリットとしては「現場の皆さんの手間の削減」の他にもうひとつ、「紙の使用量が明らかに削減される」ことがあります。そう、紙が消えてしまったのです。

嗚呼、なんて素晴らしいエコロジー!
わが社にISO14001を永久認定してくれ!!(←無理)


▼Web有休申請の運用で総務の業務は増えます。

さてさて、これを実際に運用するとなると、一つクリアしなければならない問題があります。それが「スマホ操作ミスによる誤入力・誤申請の可能性がないと言えるか?」ということ。プルダウン式の氏名選択を間違えて別の人の申請になったり、カレンダー上の日付選択ミスが起きたり、というのは容易に想像できる話ですし、建設現場の通信環境(中山間地域の山間部多し)により送信したはずの申請がサーバーに届いていないということもあります。

この対策として、事務担当が行う対策は唯一、これしかありません。

\(^o^)/本人への電話確認\(^o^)/


すなわち、事務担当者にとって、現場が休憩している時間を見計らって電話連絡を逐一行うというタスクが新たに生まれます。現場の方がダンプカー運転中で電話を取ってくれない場合(けっこうある)は、つながるまで再度電話攻撃するしかありません。しかしこれをやらないわけにはいきません。従業員が意図しない権利の行使を行っている可能性は絶対に排除しなければなりません。このあたりは、弊社のように現場従業員が10人程度の規模の会社だからこそできる運用なのかもしれません。

DX化は局所的にだったらローコストで実現が可能です。
とはいえ仕事の総量が減るわけではありません。


▼もうひとつ、副作用が露見しました。

そして無視できない副作用がもう一件。有給休暇申請に係る手間が圧倒的に減ったことにより、「まあ簡単にできるけえ、後で申請しとけばええじゃろ~(←岡山弁)」とばかりに後付けでの申請が激増したこと。こればっかりはどうしようもないです。

労働基準法的には原則としては事前申請とはあるのですが、実務では後付け申請がたくさんあるわけで。こちらとしても「後付け申請はダメ!ゼッタイ!」とは言えないのですよね。


▼結論

まとめるならば、仕事のやり方を変えてみたら仕事総量に変化はありません。むしろ事務担当のわたしとしてはわずかながら増えた、と言えます。

それでも現場の皆さんの負担が確実に減ったことは事実で、事務としては後方支援という形で現場の皆さんのサポートができてるわけなので、それはそれでいいじゃん、と思っています。めでたしめでたし。








▼余談

もともとの弊社のWeb版有休申請フォームは、有給取得の希望日が1日しか選択できない仕様になっておりました。それを上で紹介したような複数日をまとめた取得を可能にするように改造したアイデアは、わたしが帰宅後、寝入りばなにタブレットで流し見していた1本の動画がきっかけでした。


この最低の悪口動画(誉め言葉)が弊社のDXにすこし貢献したのです。
業務改善のアイデアなんてどこに転がってるかわかんないもんです。
ありがとうサーヤ。ありがとうニシダ。

提案「切手ガチャをしてみませんか」

最近の当ブログと言えば、こんな感じのこってりした記事ばかりを書き連ねてきたわけですが(←当ブログ過去記事へのリンクが細かく挟まっております)、そもそもの当ブログの初回アップ記事ってこんなんだったんですよね。

いや、いまさらながら見返すと超恥ずかしいのですが、それもこれも当ブログ成長の記録みたいなもんなのでずっと残しておくことにしましょう。

ということで、今回のテーマは初心に戻って「切手」です。

会社で用いる切手といえば、110円のシール切手がいまや主流でしょうか。舌でベロっと舐めて水にぬらして張るタイプの切手は正直使いづらくて弊社ももっぱらシール切手を利用しています。

で、会社で切手を買うとなると、1100円(=110円×10)握りしめて郵便局に出かけて行って「シール切手1シートください」と窓口の方に頼むのが一般的です。じっさいそれでいいのですよね。何もギミックを挟む必要なんてないです。

それでも、性根が完全にひねくれているアテクシはちょっと違うオーダーをしているのでございます。

「110円シール切手1シート、いちばん人気のないやつをください」

ふつうは事務担当者が自らの意思でデザインを選択するところ、郵便局窓口の方の主観によって選ばれる、すなわち自分の意向とは全く関係のないものが出てくる様は、スマホゲームにおける課金ガチャそのものです。

そしてこの結果弊社が買うことになる切手ってのが、実はとても味わい深いのですよね。ということで過去買った切手のうち印象深いものを見ていきましょう。




かっこいい切手が売れ残るのは何故?

「冬のグリーティング切手」(2024.11発売)

2024年11月発売、「冬のグリーティング切手」、弊社では3回連続でこれを購入することとなりました。(参考リンク→こちら

正直なところ、これが不人気ゆえに(わたしがいつも行く郵便局で)売れ残るというのがいまだに信じられません。青を基調とした綺麗なデザインで、1枚ごとのデザインもとても凝った造りになっています。そう、青色!

「青い色が好きだった、男の子の色」なんですよ。ニチョケン(二丁拳銃のことです)がそう歌っているじゃないですか? え、知らない? だったらこの名曲を100回リピートしなさい!!





キャラクター切手なのにあまりに暗い

ムーミン切手(2025.07発売)

2025年7月発売「ムーミン」。弊社ではこれを4回連続、今年の2月くらいまで連続して購入することになりました(笑)。(参考リンク→こちら
「ムーミン」という世界的に人気のあるコンテンツにもかかわらず、この圧倒的暗さ!! とくに上から2段目の真ん中にあるやつなんかは、最近お亡くなりになったわが国が誇る孤高の漫画家、つげ義春先生の作風が否応なく脳裏に浮かび大変味わい深いです。(参考リンク→こちら

なお、返信用封筒の自社あての郵便物としてこの切手を使う機会も何回かあったのですが、この切手を貼った郵便物が届いた時はなかなかに沈鬱でヘビーな気分になったことも記憶に新しいです。



ただ、このムーミン切手もわたしが行きつけの郵便局でこのほどようやく無事に完売し、つい先日新たな切手を購入しました。それがこちらです。


My旅切手 北関東

2026年3月発売「My旅切手 第11集(茨城・栃木・群馬)」、北関東の事物が前面に出た切手です。(参考リンク→こちら

この切手に関してわたしが言えることは一つ。

岡山県人は北関東の県の配置が怪しいから印象も薄い

首都圏在住者が鳥取・島根の配置が怪しいのと同様、西日本在住者は北関東が怪しいですマジで。加えて言えば、西日本在住者にとっては福島と青森を外した東北地方4県の配置も怪しいもんです。
おれは大人になるまで自信がなかったYO!



さてさて、実務の話はここまで!
こんな記事↓が新たに公開されましたので併せてご一読いただけますと中の人が喜びます。

♪ずっと探していた理想の自分って

「ちょっと昨日インターネットのゴーゴレのアイちゃんで検索してまして~」

「グーグルね。うん。あれね、グーグルって読むんですけども。あと、アイちゃんじゃなくて多分それは人工知能のエーアイだと思うんですけど。アイちゃんだったらチンパンジーになっちゃうし、アイちゃん頭いいけど人工知能にはかなわないと思うんです」

「えー、まあ、『仕事のオキテ』ってのを検索してですね」

「それはまた意識が高いじゃないですか。あの、あれでしょ、ビジネスマンが高いパフォーマンスを発揮して信頼を得るためにはどう行動するか、みたいなやつでしょ、いきなりどうしたんですか?」

「そこにこんなのがあったわけですよ。『ピッチャーは三振を奪った後に派手なガッツポーズをしてはいけない』」

「いや、それは『野球の掟』だから! 働いてるすべての人を野球選手にしないでください!」

「あとですね、『試合で大差が付いたら勝っている方は盗塁をしてはいけない』」

「だからあなたは野球から離れなさいよ!」



ということで、某漫才コンビの名作を勝手にアレンジしてみました。

「仕事の掟」。先述の漫才のセリフにもありましたが「ビジネスマンが高いパフォーマンスを発揮して信頼を得るための行動原則」これです。


ゴーゴレのアイちゃんことGoogleのAIによればこんなことが挙げられています。

1) 「頼まれたことは必ずやりきる」

2) 「50点で構わないから早く出す」

3) 「結論から言う」

4) 「つまらない仕事はない」


そりゃそうよね。そりゃプレゼン資料だとかを日々作っている皆様はそうなんでしょうねえ。

一方で、建設業の事務を務めるわたしは「みんながみんなそうじゃねえっすよ…」とも思います。

順に反論していきましょう。へっへっへ。


「頼まれたことは必ずやりきる」

建設業の事務にとって仕事を頼んでくるのは工事部門の方なのですが、基本的に皆さん頼み方がドヘタクソです。

「明日までにマニフェスト5枚作っといて!」

や、作るけどさ、何の工事?運搬と処分先はどこの会社?処分するブツは何よ?

つかそもそも産廃処分の契約自体締結してなくね?契約書から作らなきゃいけなくね?みたいな。

曖昧な指示は当方といたしましては「必ずやりきる」以前に「やりきれない」です。動きようがないです。


「50点で構わないから早く出す」

建設業の事務が作成する書類といえば、役所提出の契約書や請求書が代表的ですが、それが50点の出来だったら完全アウト。受け取ってすらもらえません。出すからには100点の出来のものが常に求められています。じゃないとお金もらえないじゃん、ね?


「結論から言う」

建設業、特に地場産業的に営業する地方の建設会社の社長というのは、このご時世でもギリとニンジョーを行動原則とし「昭和」のテイストを濃厚に感じさせる方が多く、そういう方々は残念ながら総じて短気です。

物事の筋道をきちんと説明しないでいきなり結論を話すと、瞬間湯沸かし器が着火する恐れすらあります。


「つまらない仕事はない」

毎年のように送りつけられる統計調査回答や税務署の一般取引資料せん作成は以前も当ブログで紹介しましたが、何も面白みがない仕事です。

義務で答えなきゃいけないしその意義も十分わかっちゃいるのですが、これ答えて何か変わんの?という疑問がぬぐえないのが偽らざる実感で、砂漠に水を撒く作業を連想させます……




そう、こんなふうにすべてを否定していくアナーキスト真っ青のビジネスパーソン、それが建設業の事務の実態であります。


しかし、パンドラの箱の中身に最後「希望」だけが残ったように、すべての流儀という流儀を否定していった建設業の事務にとっても、一つだけ―これは個人的なものではありますが―「掟」が存在します。


「契約書と名の付くものは真っ先に処理せよ」


作成するなら最優先で終わらせる。ファイリングするときは真っ先にファイリングする。

深いだろ? な、そう思うだろ?


某国営放送の人気番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』では、番組の最後に「あなたにとって『プロフェッショナル』とは?」という質問と、登場した人物の回答が流れます。

じゃあ、建設業の事務にとって「プロフェッショナル」とは?

答えるならこうです。


「遊ぶために働き、働くために遊ぶ」


正確な仕事もこのサイクルを回しているから。もうそれでいいじゃん?と思います。

みんな頑張っていきまっしょい!!週末はすぐそこ!!



ビューティフル・ネーム

工事は現場だけでやってるんじゃねえ!

事務所でもやってるんだ!

……今日もわたしの脳内でモッズコート姿の織田裕二が吼えております。

 

建設業の仕事は何も現場仕事だけではなくて、弊社のように公共工事を請け負う会社にとっては事務所でのPCによる提出書類作成というのもそれなりに大きな比重があります。

工事中の書類で言えば、工事のワンアクションごとに必ず「工事打合簿」というビジネスレターにおける送り状のような書類を付ける必要があって、最終納品の際にはすべてPDF化して提出をしています。

また受注・契約時に提出する「現場代理人等の指名通知書」「直接施工届」、竣工時に提出する「工事完成届」「請負代金請求書」などは完全に事務所マターとなる書類です。契約時提出の書類なくして工事の実作業には入れませんし、竣工時の提出書類がなければいつまでもお金がもらえません。地味ではありますが、現場の人が滞りなく仕事し、会社の営業が継続するための下支え。絶対に外すわけにはいかないのです。

 

最近の弊社内でのトピックといえば、弊社が所在する岡山県和気町の「入札参加資格申請」申請書類提出というのが控えております。こちらについては2年に一度、2月ごろに電子提出することで、継続的に町の工事入札に参加するために事務所が前もって必要となる書類を準備しておく必要があります。

これらの書類/ファイル。使うのは1回きりなのですが、それでもちゃんとぱっと見で理解できる固有の名前(ファイル名)を付けておく癖が身についています。

 

わかりやすい例だと総合評価方式における提出書類。岡山県の入札システムのHPから様式をDLしたファイルはこんな感じです。

しかしこれでは全く内容が分からない。それぞれの「bekiyoushiki」(=別記様式)の番号がどういう書類に対応しているか。こんなの覚えている人はたぶん変態です。個人的には貴重な脳のリソースはもっと別な場所に使えよ!と思うわけで。ということでDLしたファイルについてはこんな風にリネームを行っております。


ファイルの数が違うのはもろもろの「bekiyoushiki」をサルベージした証拠ってことですね。さらに言えば、ファイル名は内容だけにとどめず、様式の番号を振ることでPCのフォルダ内で綺麗にソートできるようにするのが個人的な推しポイントの一つであります。

これらを収納しておくフォルダについても同じことが言えます。他人のPCを触るときにこんな↓フォルダ群を見ると、個人的には寒気がします。



お 前 正 気 か ?



さてさて、先述の和気町入札参加資格についていえば、すでに全部の書類を作成済みではあるのですが、こんな感じにしています。

 

納税証明書などの明らかにスキャンした書類以外のファイルについては、もともとのファイルはExcelだったのですが、提出用にPDF変換する必要があってこんな風にしています。ちなみに頭に付いている番号は提出要項の対応する番号で、一桁の数字の場合、頭に「0」を付け加えることによりPCフォルダ内で綺麗に揃います。加えて言えば番号と内容を半角アンダーバーでつないでいる点が美しさの極み!

 

( ゚Д゚)y─┛~~\これぞスーパー自己満足ポイント!!/

 

これをやったところでだれもほめてくれるわけではないのですが、それでもいいのです。自分の美意識に響けばそれでいいのです。嗚呼(陶酔)。

  

♪名前、それは萌えるファイル。

♪ひとつのファイルに、一つずつひとつ。

仕訳でイキりたい男

 新年あけましておめでとうございます。

本年も当ブログをご愛顧いただけましたら幸いに存じます。

何かの拍子にうっかり当ブログに辿り着いてしまった皆様におかれましては、今後とも忘れない頻度でクリックしていただけましたら、毒にはなれど薬には絶対にならないお話を投稿しておりますので、宜しくお願い申し上げます。

 

新年早々ではありますが、弊社一人総務部絶賛稼働中です。給与計算に請求書処理、さらには建退共の処理だとかもろもろの書類をちぎっては投げちぎっては投げしておりますが、「総務」という業務において「経理」というタスクが占める割合はかなり大きいというのはみなさま想像がつきやすいのではないかと思います。

請求書について言えば、建設業とかでありがちな請求書として「現場で入れた軽油の請求書」なんかが挙げられます。建設業会計のやり方に則って仕訳を切るならば、こんな感じになります(金額は適当に入れています)。

 

未成工事支出金(燃料費)  4,000          工事未払金 4,000

未成工事支出金(租税公課) 1,000          工事未払金 1,000

 

この2本の仕訳を伝票に書いて、それを会計ソフトに入力します。

そして一見これで十分に見えます。


ただし上記の仕訳について言えば、下記のように書き換えることも可能です。

 

未成工事支出金(燃料費)  4,000          工事未払金 5,000

未成工事支出金(租税公課) 1,000

 

そう、「工事未払金」の金額をまとめることでいわゆる「複合仕訳」の形として処理するやり方。ただしこの形の仕訳を伝票に書き起こす際には、弊社が会計ソフトとして使っているTKCの「DAIC2というソフトにおいては、仕訳は下記の3本が必要になってきます。

 

未成工事支出金(燃料費)  4,000          資金外諸口 4,000

未成工事支出金(租税公課) 1,000          資金外諸口 1,000

資金外諸口             5,000          工事未払金 5,000

 

そう、上記の複合仕訳において、借方と貸方を分ける空白の部分にむりやり「資金外諸口」という勘定科目を突っ込んで、単伝票の形に持って行っている、という構図になります。

 

単伝票2本か、複合仕訳の3本か。作業量としては前者の方が少ないのは火を見るより明らかです。しかし会計担当のわたしとしてはこんなことを思うのです。

 

「やっぱ複合仕訳の方がかっこいいよなあ」

 

 

……バカ。バカじゃん。

 

これを表現するのに適切な言葉があるとすれば「中二病」、これしかありません。

わたしの簿記のスキルレベルなんて本職の会計士さんや税理士さんに比べれば鼻クソレベルにもかかわらず、なぜか業務で発揮される根拠のない発言、過剰な自意識! いや、自分で書いていて恥ずかしい。

 

でもたぶんこういう自意識を発揮して今後も複合仕訳を切り続けるんですよね多分。

 

さて、2026年。すでに廃止されたガソリン税の暫定税率に引き続き、来たる4月1日に「軽油引き取り税の暫定税率」が廃止されることが決まっております。

そうなると、軽油取税の廃止に伴い今後このようなイキリ仕訳を切る機会がなくなってしまう?

それはダメ!わたしは仕訳でイキリたいんです!!イキらせろ! 

何するんや政府、っていうか与野党!

(イキった中学2年生のイメージ©いらすとや)


 

……実際は1リットル当たり17.1円分の「暫定税率」が廃止されるだけで、本則税率分の15円分は残るんですよね。イキれるぞ!ヤッタネ!



補足:複合仕訳、仕訳本数が増えるだけでメリットなんてなさそうに見えるかもしれませんが、「まとめた金額」が仕訳のなかに入るため、後から仕訳を検索するときとかに役立つというメリットがあるにはあります。

GビズIDプライムが使えない! 「シャチョサン」という越えられない壁

電子申請、手続きのデジタル化が近年進んでいます。

皆様の生活に切り離せないものといえばマイナンバーカードが代表的な例に挙げられるでしょうか。マイナカードが健康保険証や運転免許証と一体化されて、紛失時のリスクが高まる一方ではありますが、暮らしの利便性が高まるという効果を日々実感される方は多いと思います。

個人的にはコンビニのマルチコピー機で住民票が取得できるというのがいちばん便利だなあ、と感じていて、かつて受けた某国家試験の受検申込書に添付するのに非常に役立った記憶があります。もっとも、目に見えるレベルでのメリットってそんなもんで、わたし自身、マイナカードを作った動機を思い返せばポイント目当てに他ならないという卑しい人間の一人ではあります。さあ政府よ、高額なたばこ税を日々納税し、JRA銀行にも毎週末多額のお布施をしているおれにもっとマイナポイントをくれ!くれてもいいじゃないか!減るもんじゃないだろうが!国家予算に占める割合なんて耳かき程度だろうが!さあ!!!



さてさて。この「個人のデジタル化」だけでなく、企業向けのデジタル化もかなり進んでいます。
マイナカードが個人での利用を念頭としているのに対して、企業での利用を念頭としているサービスとして「GビズID」というものがあります。このアカウントを所持していると、たとえば社会保険関連の手続きであるとか、労働保険料申告であるとか、そのあたりの手続きを役所に出向くことなくオンライン上で済ませることができるメリットがあり、なおかつ郵送の手間を省くことができるため、手続きのスピードアップにも貢献してくれるという代物です。

たとえば新入社員が入ったときの被保険者資格取得届に退職時の被保険者資格喪失届、毎年必ず提出しなければならない算定基礎届。これらの書類がインターネット経由でスピーディーに提出できます。

加えて先述の労働保険料申告にしても同じです。だれもがあんまり行きたくないと考えている労基署に行くことなく、労働局に労働保険料の申告書を提出でき、それが受理され次第ネットバンキング(Pay-easyを使います)で保険料支払ができるというのもメリットの一つと言えます。労基署の開館時間だとか銀行の受付時間に縛られることなく、できた瞬間に手続きが可能であることは、事務担当者にとって計り知れないメリットが存在する、と言えます。たまにはいい仕事するじゃねえか、デジタル庁。


ただ、そんななかでも、お上が「電子でできる」と謳っておきながら「ウソツキ!!!できないじゃんか、キー!!!」と言いたくなる手続きというのが現在でも残っているというのが残念ながら事実であったりします。カギになるのは「GビズID」そのもののアカウント種別です。


そもそもGビズID、大きく分けて3種類が存在しています。GビズIDのHPから引用してみましょう。


上記のうち「GビズIDエントリー」の実用性は乏しくて(そもそもなぜこんなIDが存在しているのかの意義がわたしにはわからない)、実質アカウントの種別は2種類に絞られます。

そのうえで、わたしのような事務担当者が用いるのは「GビズIDメンバー」。これだと、ある程度の手続きは可能ではあるけどその範囲が限られていて、出来ないことも存在します。そしてすべての手続きが可能になるには「メンバー」より上位のアカウント「プライム」が必要となってくるわけです。しかしこの「GビズIDプライム」、取得できるのは会社の代表者に限られていて、なおかつログイン時にはスマホ等による2段階認証が必要となっています。それゆえ事務担当者が「社長になりすましログイン」を行うことすら難しい。ああ、このへん法に触れますね。や、アテクシ断じてやってないですけれど。人のスマホなんてプライバシーの宝庫で触るのすら怖いでござんすよ。イヤ!ダメ!そんな画像見せられても!アタシ困っちゃう!(注:弊社の話ではありません)

具体的にはどんな作業が「プライム限定」に該当するか。ぱっと思いつくものとしては、最近日本年金機構が始めた毎月の社会保険料の事前通知サービスや、かつて弊社も申請していた「IT導入補助金」における効果測定(毎月の売上データや社員数を入力するもの)が挙げられます。

しかし。しかしですよ。ここで立ち止まって考えるべきは、「そのデータを欲している人であるとか、効果測定における会計データ等を計算・入力する人というのは、断じて会社の代表者ではない」。これです。じゃあ実際に毎月の売上データを計算したり、社員数を管理しているのは誰なのか? 

ここまで思い至った瞬間、実際の作業者こと事務担当者はあることに気づき、絶望し、頭を抱えるのです。

「ああ、結局これ最終的にはプライムじゃないとできないじゃん?」





だからこそわたしはデジタル庁にモノ申したいのです。

あなたたちは「社長」が何をしているかまったく分かってないじゃないか、と。

そう、「社長」とはどこぞのパブでお姉ちゃんたちにこう言われるために生きている人種なのです。



お前らわかったか!これが社長の仕事だ!(そんなわけねえ)

手紙とレターパックと黒やぎさん

手紙。

懐メロであれば『カナダからの手紙』から合唱曲の定番『手紙 ~拝啓 十五の君へ』まで、「手紙」をテーマにした曲はいろいろあります。


と、ここまで書いて、「手紙」が中国語ではトイレットペーパーのことを指すという事実に思い至り、「カナダ生産のトイレットペーパーはさぞかし天然パルプ100%で肌触りがいいだろう」とか、「十五の君に渡すトイレットペーパーということは、中学校の便所を舞台にしたアオハルの一幕なのか」などと妄想を働かせてみた秋の午後。皆様、いかがお過ごしでしょうか。


本日のテーマは「郵便」です。

PCやインターネットがどれだけ普及しようとも、郵便によって何かを送るという行為が廃れることはないのでは?と仕事をしていて感じます。

もちろん、単なる用件のみ伝えるのであれば、EメールとかLINEで送れば済むわけですが、中に何か重要な書類を入れて相手に送るという場合はそうはいきません。建設業に従事しているわたしたちであれば、取引先への請求書であるとか契約書・注文書類であるとか。

EメールやインターネットDLでの請求書送付、ネットを介した電子契約という手段も着々と浸透しつつあるのは事実ですが、実際の書面を送付することによる手続きというのは、今なおわたしたちの社会で一般性があってちょっとやそっとじゃ置き換わらないのでは、と思わされます。


たとえば契約書。弊社所在地の岡山県の例でいえば、入札で新規工事の落札が確定した場合、岡山県のHPから契約書類書式のPDFファイルをDLしてそれをプリントアウト、製本を行い、さらに工事名だとか工期、契約金額を書いて押印を行い、契約金額に応じた収入印紙を貼り付けて、それを発注者に渡すというのが通常のワークフローになります。

そのうえで高額落札案件の場合は、弊社の住所から30kmくらい離れた県民局にそれを届けなければなりません。弊社でだれか手が空いていれば、その人に直接届けてもらって県民局職員さんに手渡しができるわけですが、あいにくみんな多忙で届けに行く時間が取れない場合は郵便での送付を行うことになります。


こういうときに郵便局が提供している「レターパック」がとても便利なのは皆さんご存じだと思います。郵便局で封筒を買ってきたら、その封筒に送り先と送り主の名前・住所・電話番号を記入して、書類を入れてそのままポスト投函すれば、速達とほぼ同じスピードで相手先に届くというものです。近年ではレターパックの封筒がコンビニでも取り扱われており、弊社でもその便利さにかまけて毎月1回は何らかの書類をレターパックに入れて送っております。


ただ、便利さの裏には落とし穴があるのが事実。便利で使い勝手のいいレターパックにも弱点があります。

それは「郵便事故による不着や中身が破損したときの損害賠償制度がない」ということ。

このことは日本郵便のHPにもここに堂々と書かれています。


社会インフラの一翼を担う日本郵便さんにとって、こんにち郵便事故なんてあるのか、とお思いの方もいるかもしれません。弊社の場合だと「不着」という事態は知る限りではありません。ただし誤配のうえ当初の予定から遅れて到着という事態はたまにあります(近くの家の方が弊社まで届けてくれたりすることがあります)。集配から配達まで、人の手が絡んでいる以上、何らかの間違いが起こる可能性というのは、可能性がまったくゼロではないのが現実。それゆえ、契約書や請求書といった、絶対に相手先に届けなければならない書類については、本来はレターパックで送ることはNGなのだと言えます。


郵便事故は起きる可能性は確かに存在する。それならば、そういった場合の補償が確保された送付方法は何か。この条件を満たすのが「書留」という送付方法です。この方法で送るのであれば、配達の記録を日本郵便がすべて記録する送付方法であり、郵便事故の際には実損額補償が行われるのがメリットであります。


そうはいっても、レターパックの便利さは捨てがたいのが現実。「レターパックの封筒を買う→好きな時間にポスト投函」と「郵便物をすべてまとめて郵便局に出向いて、書留郵便を指定」というのは手間としてはあまり変わらないのでありますが、投函の時間が自由という点において、使い勝手の良さとしてはどうしても書留郵便よりもレターパックに軍配が上がります。

レタパが届かないかもしれないスリル、背徳感! さすがにゾクゾク来たりは来ませんが。


堅苦しい文章が続きました。

ここで一曲。「やぎさんゆうびん」をどうぞ。



♪しろやぎさんから おてがみついた

♪くろやぎさんたら よまずにたべた

♪しかたがないので おてがみかいた

♪さっきのてがみの ごようじなあに?


……最初からEメールかLINEで送れば郵便事故はないんじゃね?

……つか食うなよ。

でも、メールに添付しすぎて容量オーバーで弾かれるのも現代の「食べちゃった」ですよね。

ブルシットジョブ、ブルシット調査

 



いざ着手してみればそれなりに早くできる。しかし全然やる気にならない。

だってめんどくさいんだもの。にんげんだもの。


皆様におかれましてもそんなことが日常生活のなかで多々あるかと思います。

小学生の時分の遠い記憶を引っ張り出すまでもなく、夏休みの宿題ってラスト1週間?3日前?までは進捗を完全に無視して遊び惚けたこともあるでしょう。こまごました身の回りの整理整頓にしても、癖として身なりを整えることが生活の一部になっている方を除いては、「まあいっか、明日で♡」ドミノ連鎖させることで、永遠に部屋が散らかり続けて「汚部屋」になってしまう、みたいなこともあるかもしれません。ええ、わたしです。何か?



さてさて、建設業の事務をやっていてもそんな「業務」が存在します。ということで今日のテーマは「地味にめんどくさいぞ! 統計調査回答」です。


わが国政府は様々な調査を行うことで、国民経済の実態を明らかにし、国民生活を将来的に好転させるための施策のタネとして、いろいろな統計調査を行っています。先日行われた国勢調査はその最たる例でしょう。国民人口の動態を明らかにすることによって将来の社会における適切な富の分配の在り方を考える際の基礎資料になるわけですよね。

建設業に従事している私たちに対して行われる統計調査としては、代表的なものに「建設工事施工統計調査」という国土交通省が行うものがあります。弊社も毎年のように調査の依頼書が届いていて、わたしが業務の合間をぬって回答をしております。統計法のこともありますし、これは絶対に回答しなければならないのです。意味がないとわかっていながら、社会の仕組み上やらざるを得ない仕事、誰がやるの? 事務担当者がやるんですよ。

この調査で具体的にどのようなことが聞かれるかと言いますと、企業単体での完成工事高はもちろん、そのなかの[公共/民間]の区分ごとの完成工事高、さらには[維持工事(道路とか橋とかの耐用年数を延長させるような工事)/新設工事]の区分ごとの完成工事高が細かく問われます。それに加えて、会社決算時の従業員数、人件費、福利厚生費等についてもざっくりした数字を回答する項目もあったりします。

で、こういう質問項目一つひとつに対して、事務担当者のわたしが決算書等を見ながらポチポチとキーボードを叩いて回答をしているわけですね。そう、近年の当期調査はWebでの回答ができるものがほとんどなので、回答に係るストレスとかはいくぶん軽減されております。こういう項目が明日の建設業の明るい未来につながるように、と願いつつなのは言うまでもありません。頼むよ!みたいな。



ただしこういう統計調査、回答期間が長めに設定されているのはありがたいのですが、統計調査に回答するという業務は優先順位が最下層に位置するのが常であるため、一つだけ気を付けておくべき点があります。そう、これを読む皆さんも経験があるでしょう。

「その存在をすっかり忘れてしまう」

嗚呼。人の記憶のはかなさ。記憶とはかくも脆いものなのですよね。



この対策としては優先順位は低いにせよ、1週間以内にはカタを付けるように心がける、というのしかないかなあ、というのがわたし自身の感想です。

ただしこの調査、回答項目はそんなに多くないので、着手しさえすれば1時間もあれば終わってしまいます。それゆえ「カタを付ける」ための事務担当者の決心こそが重要なのだとも思います。よし、いっちょやるか!みたいな。一見めんどくさそうに見えても大した作業量ではないのですよね。


その一方で数年に一回程度の頻度ではありますが、超絶にめんどくさい調査というのもなかには存在しています。わたしが一人総務部となってからは調査対象を免れている「労務費調査」、そして国税庁が送り付けてくる「一般取引資料せん」の調査が代表的な例になります。


このうち前者については、わたしはその苦しみを知りません。なのでコメントは差し控えさせていただきます。罵詈雑言を言いたいのは後者の「一般取引資料せん」です。

ふつうの人は「イッパントリヒキシリョウセン」と言われてもなんのこっちゃだとは思うので、ちょっと解説。税務署が何らかの会計数値をごまかして正しい納税を行っていない企業がないかどうかを調査するために企業に提出を要請する売上・仕入・費用(接待交際費とか)・リベート等に関する資料、要はこういった費目ごとの請求だとか支払だとかの詳細資料のことを指します。別に弊社が悪いことをしているということはありません。きちんと会計申告してきちんと納税をしております。ですので、「何ゆえにこんなめんどくさいやつを提出せんといかんのや」と怒りに打ち震えながら数日間の尊い業務時間を犠牲にしてまで資料作成・提出を行っているのです。


何故面倒なのか。カモン、文句タイム!

1)1年間の取引データ(=仕訳一つひとつ)をもとに作成する必要があるが、たとえば材料仕入先一つとっても関係する会社さんはいくつもあり、過去の請求書を引っ張り出してきて郵便番号から住所から電話番号を調べなおす作業、請求書にそれが書かれていない場合はインターネットでさらに調査する作業がめんどくさい

2)提出は伝票形式の「紙」もしくは国税庁のHPでDLできるExcelのフォームの2択で、紙に書くのはさらにめんどくさいので毎年Excel提出するが、このフォームが一取引=一行という形式で、会計ソフトの仕訳をExcelに書き出しても回答用フォームの形式とはかけ離れているので、それを転記するのにはいちいちコピペが必要でそれが本当にめんどくさい

3)必死こいて入力したデータについてはインターネットでアップロードなどできるわけもなく、このご時世にもかかわらずCD-R(!)に格納して郵送提出することになるが、万一の郵便事故に備えてExcelにPW設定をしなければならず、この際のPW設定、及び後日(3~4週間後!)税務署職員が電話で聞いてくるPW問い合わせについても対応しなければならない事実を覚えておかなければならないのが地味にめんどくさい

4)これが数年に一度の周期で来るが、来るタイミングで毎回のように前回やった作業をほぼ完全に忘れているため、効率的な資料作成方法を思い出す作業が必須。これが冗談抜きでめんどくさい



以上、「めんどくさい」4段活用。もうやめて!あたしのHPはゼロよ!

でもきっと来年も同じように叫んでいるだろうなあ、と思う自分がいます。

だって、人はブルシットジョブを繰り返す生き物なのだもの。

にんげんだもの。

スパムメールを味わい尽くせ

 みなさまいかがお過ごしでしょうか。本日は予定していた原稿があるにはあるのですが、個人的なホットなトピックとしてこの話題を取り上げたいと思っております。


本日のテーマ:【注意喚起】国勢調査の回答についてのスパムメールが来た!


アドレスとかそのへんについてはさすがにマスキングしたのですが、わたし宛に届いた迷惑メールがこちらです。

よくよく冷静になって読めば絶対に引っ掛からない自信があります。ぶっちゃけた話ツッコミどころ満載です。皆様もこんなのに引っ掛かってはいけません。その注意喚起として今日は本稿を緊急的に書いております。


突っ込みどころその1:差出人が怪しさ全開

さすがにマスキングしましたが、実はここにはもともと国の機関名でなく、横文字の聞いたこともない企業名が入っています。なぜ君らはおれのメールアドレスを知っているんだい?(ハロワの求人票で公開してしまっているのでこういう糞メールが来てしまうのが悔しい)


突っ込みどころその2:CC欄の「error」って何だよ

メーリスにせよそりゃねえだろ(笑) おれたちはエラーか?生まれてきてはいけなかったのかYO!


突っ込みどころその3:強調表示にする箇所と思しき「**」の囲み

詐欺グループが詐欺メールの信ぴょう性・重要性を増そうと苦心し付けたと思しき強調表示の印と考えられますが、送ってきたメールがテキスト形式ゆえまるで反映されていないところが涙を誘います。


突っ込みどころその4:早期回答に対する意味不明な「特典」

ここが最大のツッコミどころ。一般企業のアンケートでQuoカードPayやAmazonギフトの特典が付いてくるものは存在しますし、実際わたし自身何度か恩恵にあずかったものはあります。

一方で、政府の統計調査で特典がつくなんて聞いたことねえぞ。加えて内容が一切触れられていないところが詐欺グループ内担当者の想像力と社会経験の少なさを物語っていて、非常に興味深く読めます。


突っ込みどころその5:「感謝の気持ちを込めて」

や、統計調査にそんなのないから。回答は義務だから。


突っ込みどころその6:締め切りまでの異様な回答期間の短さ

受信日:9月19日、特典がつく回答締切:9月19日の22時。

国勢調査の調査員が各戸を訪問して調査票を配る期間というのがこの後ということで、この期間の国民的な認知度の低さを逆手に取った期間設定は絶妙ではあるのですが、足がつくのを嫌った詐欺グループが設定した回答期間が1日に満たないことに笑いを禁じ得ません。


突っ込みどころその7:統計法!

信ぴょう性を増すための法律ぶっこみ。統計法に確かに罰則はあるのですが、罰則が摘要される行為と罰金の額が残念ながら違います。以下、統計法引用。


第六十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

一 第十三条の規定に違反して、基幹統計調査の報告を拒み、又は虚偽の報告をした個人又は法人その他の団体(法人その他の団体にあっては、その役職員又は構成員として当該行為をした者)

二 第十五条第一項の規定による資料の提出をせず、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

三 第三十六条第一項の規定により匿名データの提供を受けた者又は当該匿名データの取扱いに関する業務の委託を受けた者その他の当該委託に係る業務に従事する者若しくは従事していた者で、当該匿名データを自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用した者


なお、この迷惑メールについてですが、詐欺メール送りつけをした人に対する罰則規定ももちろん存在します。


第五十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

一 第十七条の規定に違反して、国勢調査その他の基幹統計調査の報告の求めであると人を誤認させるような表示又は説明をすることにより、当該求めに対する報告として、個人又は法人その他の団体の情報を取得した者


お前ら、罰せられてしまえおんどりゃー。



突っ込みどころその8:コールセンターに問い合わせとあるにも関わらず電話番号が未掲載

おい! 詐欺グループちゃんとしろ! ディテールにこだわれよ!


突っ込みどころその9:主催機関「国勢調査2025事務局」

深夜アニメの「●●制作委員会」から連想された安直なネーミングが味わい深いですよね(棒読み)。

これぞザ・やっつけ仕事。♪まーいにちー、しゅうらいするきょうてきー、でんわのベルー









ハァハァ、、、骨の髄まで糞メールをしゃぶりつくしてやったぜ! おととい来やがれ、アバヨ!

(読者の皆様はこんなメールにくれぐれも引っかからないよう、世知辛い世の中をサヴァイブしていきましょう! 解散!)