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「損益分岐点を計算して」という依頼への処方箋

▼CVP分析という手法を紹介します。

今回のテーマは「CVP分析」。アニメファンならお馴染みの声優(character voice)プロデュースのことで、以前書いたこちらの記事について、声優としてだれが適切かを考察……するのではありません。


CVP分析における「CVP」とは「Cost-Volume-Profit」の略で、商品生産だとか工事における「原価」を固定費と変動費に分けて損益分岐点分析などを行う手法のことを指します。建設業経理士の試験では現在は1級の出題範囲になっていますが、そんなに難しくないうえにいろいろな業務に応用がきくので皆様覚えてね!ということで説明記事を書いていこうかと思っております。

なお説明を行う当ブログの中の人はこちらの記事にある通り、いちおう建設業経理士1級を持っておりますゆえたぶんだいじょうブイです(←読者を圧倒的に不安にさせる表現)。



▼CVP分析の公式

CVP分析、教科書によってはいろいろな公式が紹介されているかと思うのですが、当ブログで覚えてほしい公式は以下の2つです。

CVP分析の公式

いきなり数式が出てきて面食らう方もいるかもしれませんが、CVP分析はこの2つの式を無理やりにでも覚えてしまってください。で、この2つの式を覚えると何ができるかといえば、「あとどれだけ売れば黒字か」が秒で出せるってことなんです。すごくね??

ざっくりした用語説明としては、変動費は「売れば売るほどかかる費用」固定費は「売れても売れなくてもかかる費用」です。一方で「限界利益率」という言葉は耳慣れない言葉だと思いますが、定義を述べるならば「売上高から変動費を差し引いた利益が売上に占める割合」というもっともらしいようで、よくよく式を見ると見事にそのまんまの中身です。建設業経理士1級とか日商簿記2級以上の受検予定がない方は「よくわかんないけど『魔法(m=magic)の比率』」と覚えてOKです。

ちなみに建設業や製造業では、売上がプロジェクト単位となっていることもあり、上記のCVP分析の公式がそのまま使えませんが、「PQ(1つ当たり値段×数量)=売上高or完成工事高」と認識していただければいいかなと思います。


▼CVP分析公式の極私的覚え方紹介

じゃあこれをどうやって覚えるか、なのですが、①は「♪ぴ~ぴ~ぶい~、ぴ~ぴ~ぶい~」と歌う長渕剛さんの絵を思い浮かべてください。光GENJI・少年隊世代である当ブログの中の人と同世代の皆様はこれだけでメロディーが思い浮かぶと思うのですが、キンプリ・すの世代のナウなヤングの読者の皆様におかれましては、崇高な学びのためだと思って我慢して下記のYouTube動画をご覧いただきますようお願い申し上げる次第です。



さあほら、求めるべき「m」がだんだん「NAGABUCHI」の「n」に見えてきましたよ~!!もうぶっちゃけmだろうがnだろうが何だっていいです(笑)。



他方、②についてはわたしが簿記を勉強していたときに編み出した語呂合わせが適切でしょう。

CVP分析公式のごろ合わせ「満腹フラガール」



皆様の脳内には、食いすぎで横になって動けないしずちゃんと、「ごめんなさいね~、セクシーすぎて~!!!」と客席にのたまう山ちゃんの2人がすでにモヤモヤ~ンと浮かんでいるはずです。その調子で覚えちゃいましょう!!!

▼CVP分析を実践してみよう

以上で準備はすべて整いました。CVP分析を実践してみるべく、簡単なモデルケースを設定してみましょう。ただしいきなり建設業でやるとマジで死ぬので、ここで舞台にするのは町のラーメン屋です。


CVPモデルケース・町のラーメン屋(値段は1000円・固定費48万円・1杯当たり変動費600円)

そのうえで練習問題として、下記の設問を考えていきます。

1)この条件でペイするための損益分岐点の売上は1か月当たり何杯でしょう?

2)店主が自分の給料を上げるべく、月の固定費総額を54万円に改めるとします。そのうえでラーメンを1杯1200円に値上げしたときの損益分岐点売上は1か月当たり何杯でしょう?



この練習問題で「損益分岐点」という言葉が出てきました。損益分岐点は文字通り「これ以上売上があると利益が出て、反対に売上が下回ると損失が出る」というボーダーラインのことを指します。したがって最初に紹介した公式の中ではG=0とおくことになる、ということを覚えておきましょう。

そのうえで1)から見ていきます。

P=1,000 V=600 F=480,000となります。
mの値から求めていくと、 m=(1000-600)÷1000=0.4
なので 0.4×1000×Q=480,000  Q=1200杯

念のため検算して、売上と原価の合計(固定費+変動費)が正しいことを見ておきましょう。

売上=PQ=1000×1200=1200000円
原価合計=F+V=480000+600×1200=480000+720000=1200000円

完璧に一致してますよね。1日当たりの売上や客数を脳内計算するとなかなかにシビアな数字が出てきましたが、上記のレシピのラーメン屋なら非現実的な数字ではありません。

そして2)の方。

こちらはP=1,200、F=540,000と設定して新たにmを求めます。もちろん問われているのは損益分岐点ですのでG=0とおくのは変わりありません。

m=(1200-600)÷1200=0.5 となりますので、
0.5×1200×Q=540,000  Q=900杯

念のためこちらも検算してみましょう。

売上=PQ=1200×900=1080000円
原価合計=F+V=540000+600×900=540000+540000=1080000円

条件変えてもこちらも一致してます。値上げしたおかげでノルマクリア条件が圧倒的に楽になりました。値上げで若干お客さんの数は減るかもしれませんが、上記レシピのラーメン屋は中毒性がすさまじいので影響は少ないものと愚考します。

なんか小難しいこと聞かれていても、公式に当てはめて計算すればあっと言う間に答えが出るのが皆さんも分かると思います。CVP分析は簡単なんですよホントに。




……と簿記を勉強していた時代の自分はそう思っておりました。



▼実務に当てはめた瞬間に死ねる。

CVP分析、大学生が学園祭のために設営する屋台とかだったら、マジで有用なんですよね。固定費や変動費をきちんと設定してあげれば、簡単な計算で損益分岐点であるとか、Gの値をいろいろ設定することによって「目標とする利益額に必要な売上高」を簡単に求めることができる魔法のツールなのです。

そう、「固定費や変動費をきちんと設定してあげれば」の話です。
そのことが実務では、むちゃくちゃハードルが高い。

考えてみれば、一企業の運営にかかるコストって、会計上では「人件費」「原材料費」「販売手数料」「リース費」「地代家賃」みたいにどういう目的でお金が消費されたかによる区分が一般的です。すなわち「変動費」だとか「固定費」のような視点での分類は行いません。したがって、実務でCVP分析を使うためには、その前段階として、会社の各種コストが変動費と固定費のどちらかに当たるのかをいちいち再定義する必要があるというのがあります。これ地味にシンドいっす。

Webで調べる限りでは、下記のような区別が紹介されています。
変動費の例:原材料費・仕入原価:・販売手数料・外注費・運送費・現場消耗品費 など
固定費の例:地代家賃・人件費・減価償却費・水道光熱費・リース料・広告宣伝費・修繕費 など

ただし、上記の分類も万能というわけではありません。たとえば「人件費」一つとっても厳密にやろうとすれば固定費に分類していいのは固定給の部分だけで、残業代については変動費に加えるのが妥当でしょう。水道光熱費についても、事務所の水道光熱費だったら全額が固定費である一方で、製造現場の水道光熱費は、基本料金だけは固定費として、その他の金額については変動費に分類するのが、用語の定義から言って「筋」ではないかと思われます。

しかしこんなふうに厳密な再定義を行っていくのは、きりがないです。
会社のコストをすべて厳密に固変分解するなんて、底なしの泥沼に頭からダイブする行為に等しいです。


▼建設業・製造業におけるもう一つの問題点

固定費・変動費の厳密な分類が事実上不可能であるとともに、CVP分析を実際に行う上で建設業や製造業においてはもう一つ厄介な問題を抱えています。日商簿記2級の工業簿記などでもおなじみのボックス図を見てみましょう。

簿記のボックス図

CVP分析によって「当期の変動費」として計算対象になるのは、上のボックス図では右上のエリア「当期完成」の部分にある変動費のみとなります。その他のエリア「前期棚卸」「当期仕入」「当期棚卸」のエリアに入っている変動費は全く考慮に入れません。そうなると製造業でいう「製造原価報告書」、建設業でいう「完成工事原価報告書」にある数字のみ考慮すればいい、ということになります。変動費については考え方はとてもシンプルです。

じゃあ固定費はどう考えるのか。前期の棚卸の物品を作っているときの固定費の扱いはどうなるの? 当期棚卸を作っているときの固定費は?? これを考えるとやはり泥沼化していきます。いちおう、簿記の教科書的には当期の固定費調整を行うための虎の巻的な手段があるにはあるのですが、それについては読者の皆様に「調べろ」と投げっ放して説明を放棄して……もとい、あたかもライオンが最愛の子ライオンを千尋の谷に突き落とすような扱いをすることで自らの学びにつなげていただければ幸いです。

要約すると、おれがめんどくさい。マジサーセン。


ただ、固定費については「期間固定費」という、会計期間全体で固定費を認識するという簡略化されたやり方もまあOKとされています。このあたりは読者の皆様がCVP分析にどれくらい時間をかけられるかによって判断していただければいいのかな、と個人的には思います。


▼「損益分岐点分析やってみて?」という依頼にどう対処するか

とまあここまでCVP分析の手法と課題をざっくり説明してきました。たぶんここまで読んでいただいた読者の方は、NAGABUCHIの歌とか南海キャンディーズの漫才のつかみを脳内再生しつつ、計算ができるようになってるんではないかと思います。

そして、こんなめんどくせえ事情なんて露知らずのシャチョサンから「損益分岐点ってどのくらいなのか計算できる?」と依頼されてしまった赤いフチの眼鏡がよく似合う経理の貴女!(←中の人がグッと来る女性像)、わたしからの最終的なアドバイスを最後に示します。

*変動費は当期全体の原価報告書の数字でいい!
*固定費は当期全体の販管費でいい!
*あとは要求されてるレベル感を察して適当に固定費と変動費の額を調整すればいい!(人件費とか)


「損益分岐点を計算してくれ」という要望は、簿記経験者の立場から言えばどのレベルの厳密さが必要なのか、それがわからないのです。そして依頼者はそのレベル感を言語化してくれません。
だったらこっちも雑に計算してやろうじゃありませんか。

蛇足ながら、当ブログ中の人は大学時代にクイズ番組『アタック25』での優勝経験があるため、クイズ未経験者の方から「クイズ出して」とせがまれる経験が一度や二度ではありませんでした。そんなときわたしはきまってこんなクイズを出してお茶を濁してきました。

「パーに勝つのは何?」


損益分岐点計算もこの程度でいいんです。たぶん。
だから堂々と。雑にやっちゃえばいいんです。
もちろんわたしは責任取らないんですけれどね。アデュー!

仕訳でイキりたい男

 新年あけましておめでとうございます。

本年も当ブログをご愛顧いただけましたら幸いに存じます。

何かの拍子にうっかり当ブログに辿り着いてしまった皆様におかれましては、今後とも忘れない頻度でクリックしていただけましたら、毒にはなれど薬には絶対にならないお話を投稿しておりますので、宜しくお願い申し上げます。

 

新年早々ではありますが、弊社一人総務部絶賛稼働中です。給与計算に請求書処理、さらには建退共の処理だとかもろもろの書類をちぎっては投げちぎっては投げしておりますが、「総務」という業務において「経理」というタスクが占める割合はかなり大きいというのはみなさま想像がつきやすいのではないかと思います。

請求書について言えば、建設業とかでありがちな請求書として「現場で入れた軽油の請求書」なんかが挙げられます。建設業会計のやり方に則って仕訳を切るならば、こんな感じになります(金額は適当に入れています)。

 

未成工事支出金(燃料費)  4,000          工事未払金 4,000

未成工事支出金(租税公課) 1,000          工事未払金 1,000

 

この2本の仕訳を伝票に書いて、それを会計ソフトに入力します。

そして一見これで十分に見えます。


ただし上記の仕訳について言えば、下記のように書き換えることも可能です。

 

未成工事支出金(燃料費)  4,000          工事未払金 5,000

未成工事支出金(租税公課) 1,000

 

そう、「工事未払金」の金額をまとめることでいわゆる「複合仕訳」の形として処理するやり方。ただしこの形の仕訳を伝票に書き起こす際には、弊社が会計ソフトとして使っているTKCの「DAIC2というソフトにおいては、仕訳は下記の3本が必要になってきます。

 

未成工事支出金(燃料費)  4,000          資金外諸口 4,000

未成工事支出金(租税公課) 1,000          資金外諸口 1,000

資金外諸口             5,000          工事未払金 5,000

 

そう、上記の複合仕訳において、借方と貸方を分ける空白の部分にむりやり「資金外諸口」という勘定科目を突っ込んで、単伝票の形に持って行っている、という構図になります。

 

単伝票2本か、複合仕訳の3本か。作業量としては前者の方が少ないのは火を見るより明らかです。しかし会計担当のわたしとしてはこんなことを思うのです。

 

「やっぱ複合仕訳の方がかっこいいよなあ」

 

 

……バカ。バカじゃん。

 

これを表現するのに適切な言葉があるとすれば「中二病」、これしかありません。

わたしの簿記のスキルレベルなんて本職の会計士さんや税理士さんに比べれば鼻クソレベルにもかかわらず、なぜか業務で発揮される根拠のない発言、過剰な自意識! いや、自分で書いていて恥ずかしい。

 

でもたぶんこういう自意識を発揮して今後も複合仕訳を切り続けるんですよね多分。

 

さて、2026年。すでに廃止されたガソリン税の暫定税率に引き続き、来たる4月1日に「軽油引き取り税の暫定税率」が廃止されることが決まっております。

そうなると、軽油取税の廃止に伴い今後このようなイキリ仕訳を切る機会がなくなってしまう?

それはダメ!わたしは仕訳でイキリたいんです!!イキらせろ! 

何するんや政府、っていうか与野党!

(イキった中学2年生のイメージ©いらすとや)


 

……実際は1リットル当たり17.1円分の「暫定税率」が廃止されるだけで、本則税率分の15円分は残るんですよね。イキれるぞ!ヤッタネ!



補足:複合仕訳、仕訳本数が増えるだけでメリットなんてなさそうに見えるかもしれませんが、「まとめた金額」が仕訳のなかに入るため、後から仕訳を検索するときとかに役立つというメリットがあるにはあります。

誰も注目しないけれども。

 クラスの女子のうち誰が好みか、なんて下世話な男子の会話。筆者は中学でも高校でも大学のサークルとかでも経験がありますし、それは今現在において青春真っ盛りの中学生や高校生も人生いちどは通る、時代を経ても不変の通過儀礼のようなものです。

ちなみに筆者は明らかにかわいい美少女タイプの女の子よりも、クラスの隅でひっそりとたたずむ女の子の方が好きだったりします。ただ、それを人前で公言するのが恥ずかしくて、長いものには巻かれろ方式によりみんながタイプに挙げた美少女の名前を挙げたりして、なぜあの場で自分の趣味嗜好をちゃんと公言できなかったんだろう、といくばくかの後悔を覚えたりしたことが、年齢を重ねたおっちゃんになった今でも思い出されます。トイプーみたいな顔してたSさん元気かな?


で、年齢を重ねておっちゃんになった今では、自分のなかの性癖もとい趣味嗜好を公言できる大人になっております。やったね、ありがとう!


さてさて、今日の話題は「この簿記の問題っていい問題だよね?」というマニア的な視点による建設業経理士の話題です。題材となるのは建設業経理士の4級に頻出のこんな問題です。ちなみにここに紹介しているのは、建設業経理士4級過去問に実際に出題された問題の数字だけ変更した問題になります。著作権!



筆者は簿記を勉強していたときに、某資格予備校の発行した日商簿記3級の問題集でこの類題を見たことがあり、長いこと「いい問題だよなあ」と思っていた記憶があったのですが、建設業界に入って建設業経理士の勉強を始めたときに偶然「再会」を果たして、「おおおお、あのときの君はここにいたのか!」と、一般人にはとても分かりにくい感動を覚えた記憶があります。


なぜこの問題がいい問題なのか。端的に言えばそれは「簿記の5要素がB/S(貸借対照表)やP/L(損益計算書)でどのように絡み合っているか、どういう構造になっているか、を理解しているかどうか」を問える問題だから、なのです。

というか、建設業経理士の2級を受検するボーイズアンドガールズのみんなはこんな問題解いたことないと思うのですが、大問ごとにいわゆる「タテ解き」をすることで試験勉強をしている人の何割かは、たぶん完答できないと思います。まず面食らうと思うのですよね。


ということで、ちょっと上の問題を解いてみましょう。


まず簡単なのはAですね。貸借対照表では、資産=負債+純資産という計算式が成り立ちます。したがって、A=4,300+1,200=5,500となります。


次に簡単なのはDですね。収益と費用の情報があるということは、この部分が損益計算書にあたります。そして当期純利益=収益ー費用の計算式で求められます。となると、D=6,000ー5,700=300です。


さて、ここからがこの問題の肝になります。当期純利益の金額はどこへ行くのか? そう、決算時の純資産に振り替えられます。詳しく言えば純資産勘定のなかの「利益準備金」でした。当期純利益が出ていれば期末で純資産は増えますし、一方で当期純損失が出てしまったら純資産は減る、ということになります。


となると、Cが先に求められますね。C=1,200+300=1,500です。


ここまで来ればBも簡単に求められます。Aを求めるときに使った資産=負債+純資産の式を思い浮かべればOKです。B=6,400-1,500=4,900です。これで空欄は全部埋まりました。めでたし。


この問題を解くための道筋を振り返ると、「資産は負債と純資産を足したもの」「決算で出た利益は決算時の純資産に振り替えられる」という2つの知識を駆使して、あとは数独のようにわかるところから順番に計算していく、となります。そしてこの知識を受検生に課すこの問題って、すごくいい問題だよなあ、最初にこのスタイルの問題を作問した人はすごいよなあ、などとわたしは思うわけです。

しかしそれと同時に、惜しむらくは、経審でも使わない「建設業経理士4級」というビギナー向け資格の問題であるため、まったく人の目に触れないし、脚光を浴びることもない。これってとても悲しいことだと思いませんか? わたしは思うのですよ。ということで、今回取り上げてみました。



ちなみにわたしが好きなタイプを女優さんで言うと、昔も今も緒川たまきさんです。素敵。

画像はぐぐれ。ぐぐればわかるさ、ありがとう。


インボイス制度があってよかった

 11月29日。弊社総務部は今日は11月の最終営業日ということで、ネットバンキングを駆使して請求の支払いを行う日です。まあ事前の仕込み作業をしっかりとやったうえで、本日もろもろの作業を無事に終えることができたからこそ、こうやってブログを平和に更新しているわけですよね。そう、平和。関係ないけど、もうすぐジョンの命日です。あなたがこの世から去ってずいぶん経ちますが、まだまだ世界は暴力に溢れ、平和ではありません。




会計にたずさわっていますと、月内のルーチンワークというのが確立されておりまして、今日みたいな月末ですと支払や記帳、金融機関がいつ来ても提出できるような資金繰表のまとめ、受注工事明細の整備であるとかのMUSTでやらなければいけないことを順序良くこなしていくわけですね。で、月が替わると今度は給料計算に加えて数多く届く請求書の処理を行っていって、でその合間に入札資料やら経審(建設業経営審査)の資料作成だとかもやっていく、という構図になります。


で、会計的なことを書くならば、インボイス制度。これですよ。会計・経理の業務を倍加させる、死ぬほどめんどくさいもろもろの雑事を一方的に現場に押し付ける天下の●●制度(自主規制)。さらには盛んに報道されたように、立場の弱いフリーランスの方にとっては、報酬額がクライアントによって一方的に値引きされるようなこともあったりして、こういうことが常態化することでひいては日本のアニメ・ゲーム産業を衰退させるきっかけになってしまうのでは?などとも言われました。こんなふうに各方面で悪評が絶えないこの制度。「賛否両論」なんて言葉で表現するのすら生ぬるくて、実態は言わば「非非片論」。個人的にもそりゃあ勘弁してくれよ、なんて制度の導入当初は思ったものです。もう慣れてしまったっちゃあ慣れてしまいましたが。父さん母さん、ボクはもう昔のボクには戻れないんです。


このインボイス制度。為政者ではないぼくらにとって、どうやったってディスることしかできないのかな、とふと思います。どんな(ワタシみたいな)ブサイクだって一つくらいは褒めるところがあるように(たぶん)、この制度だって何か重箱の隅をほじくり返したらいいことの一つくらいはあるんじゃないのか、ということを考えておりました。で、ようやく見つけました。インボイス制度がもたらした「功罪」のうちの「功」。


「インボイス制度は、長らく日本の悪しき商慣習としてまかり通っていた『振込手数料の控除を行ったうえでの支払』を(だいたい)終わらせた」


わたしが入社したころは、請求書に対する支払を、銀行の振込手数料を控除したうえで行っていました。銀行振り込みの際に振込手数料を相手負担にして振り込み処理を行うと、その金額(330円だとか550円だとか)が引かれた金額が請求元に着金する、という構図。個人的に会計関連の業務に就いていたこともあり、いろいろな会社さんの銀行通帳を見た経験があるのですが、当時はほとんどの会社でこういう商慣習が暗黙の了解として行われていたのは事実です。実際、TACの税理士講座のテキストなんかにはこのような会計処理が教科書のコラム的な扱いではありましたが、堂々と掲載されていたように記憶しています。


ところが、これがインボイス制度導入によって非常にやりづらくなった、という事実があります。ポイントとなるのは控除される330円だとか550円のなかに含まれる消費税額。これまでは請求代金を受け取った側(=振込手数料と消費税を控除された側)が、単に支払った金額を記録するだけで会計処理は終わっていました。一方で、インボイス制度はこのような消費税額を厳密に「誰が預かっている消費税なのか」を明らかにする制度ではあるので、請求代金を受け取る側が「請求元が預かっている消費税額」としている裏で、請求代金を支払う側は実際には銀行などの金融機関に対して支払った(=銀行が預かっている)消費税額」として記録をしてしまう、という構図が出来上がってしまい、矛盾が生じているというのが会計処理を難しくする一因となります。

そうなると「こういうのはお互いめんどくさいだけだからもうやめようよ」となるのは自然の摂理というわけで、ここ1~2年でこの風習は、少なくとも中小企業間の商取引では消えたように感じています。もちろんこれはわたしの肌感覚に過ぎないので、実際のところまだ行われていたらゴメンナサイ。

あと、中小企業間の商取引では消えた、と書きましたが、大手が下請企業に支払うお金はまだこういう控除がいけしゃあしゃあと行われているのも事実ではあります。個人的にはこれはもうしょうがない、として半ばあきらめの境地に達しております。(震え声)「(だいたい)終わらせた」と書いたのはそういう意味合いになります。


以上が、無理やり見つけ出した「インボイス制度」ちゃんのチャームポイントでございます。はいはい、かわいいかわいい。改めて言うけど、お前なんやねん。

建設業経理士2級、極私的アドバイス

 暑い日が続いておりまして日々ゲンナリしているところですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日が9月6日で、週末の9月8日が建設業経理士試験であることに気がついたので、今日は個人的な建設業経理士試験2級の攻略アドバイスみたいなものを書いてみようかと思います。なおこれを書いている中の人は建設業経理士1級を持っておりまして、書いている内容に嘘はないとは思っておりますが、いかんせん個人の見解なのでそのあたり信じるも信じないもあなた次第です。それではどうぞ!



【早く行け、早く着け】

まずは基本中の基本。どんな試験でもいえることですが、試験会場には最低でも1時間半前に入れるスケジュールを組んでおきましょう。当日の不測の事態に備えるという意味が半分、試験会場でがっつり&まったりとリラックスする時間を確保するという意味が半分。会場へのアクセスの際に鉄道の人身事故や道路渋滞があっても、1時間半あればなんとかなります。なお、試験当日の日曜日に地元の市民マラソン大会なんかが開催されていると、バスなどの公共交通手段が影響を受けることが必至ですので、当日のアクセス手段は念入りに確認しておきましょう。

ちなみに早く会場に着きすぎて試験会場で手持ち無沙汰だったらスマホで音楽でも聴いてりゃいいのです。脳がお休みモードに入る仮眠・睡眠だけはダメなのでそこだけは注意。


【計算用紙は縦に折れ】
計算用紙はB4サイズの白い紙。ビジネスでふだん用いているA4サイズよりも一回り大きな紙です。どうせ横いっぱい使う計算なんてないので、縦に半分に折って使うことを個人的には勧めます。


【まず全問題見ろ。解答順は1→5→その他】

試験が始まったら全体の問題構成を確認。おすすめは最初に第1問の仕訳をウォーミングアップで解いてから、配点が大きい第5問の精算表に入るという順番(1級だと最初の論述問題を後回しにして真っ先に第5問に手を付けます)。残りは解きやすそうなところから手を付けてください。

なお、精算表の貸借が合わない場合には深追いしないのが良いです。心残りはあると思いますが、まずは残りの第2~4問を一通り解くことを勧めます。これは、時間を空けてから第5問の見直しを行うほうがミスに気づきやすく効率が良いと考えるためです。


【理論問題は捨ててOK】

「ワイはどうしても満点合格したいんじゃ!満点合格を病床のちびっこに誓ったんじゃ!」という漢の約束をキッズと指切りげんまんした方以外は理論の部分は勉強せず、当日の「鉛筆転がし」で解答してOKです。どうせ2択問題なので、ぶっちゃけ2分の1の確率で当たります。5問あるから期待値は2.5点。

また、建設業経理士2級の合格ラインは7割で、なおかつ建設業経理士の問題に新傾向の問題はほとんど出ません。だったら理論の部分の5点分を捨てても他の問題を確実に正答できれば優に合格ラインを越えますし、そういう形で点数のマネジメントを行うのが正しいと個人的に考えます。


【シャーペン2本、消しゴム2個】

解答するためのシャーペンや消しゴムは2つずつ持ち込むと良いです。筆記用具が机の下に落ちてしまった場合、試験監督の方に向かって挙手をし、試験監督に取ってもらうのが正しい方法なのですが、それを自分で取ろうとするのは不正行為を疑われる可能性があります。問題を解いている時間を中断させたくない場合は、もう一つスペアを持っておくと盤石ではと思います。

なお、試験会場が大学や専門学校の講義棟の場合、大学の教室によくある「手前側に若干傾いた奥行きが狭い机」での試験を強いられる場合があります。こういう場合に備えて机に置いてもひとりでに転がっていったりしない(=全面的にすり減っていない)筆記用具を持ち込むのが良いと個人的には思います。当日ないことに気づいたら会場近くのコンビニででも買いましょう。




以上!どないやねん!
当ブログの中の人は、これをうっかり試験直前に読んでしまったそこの貴方の試験でのご多幸を心からお祈り申し上げております。