▼年1回の紙マニフェスト発行報告
産廃処分の際に紙のマニフェストを使っている企業については、いわゆる「廃棄物処理法」の定めにより、年1回、4月1日から6月30日の間に都道府県知事あてに前年度の紙マニフェストの発行枚数や廃棄物の数量、処分先等についての報告書を提出しなければならないとされています。法律を紐解いてみるとこんなことが書いてあります。
第十二条の三 その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第十二条の五第一項及び第二項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。
引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
(中略)
7 管理票交付者は、環境省令で定めるところにより、当該管理票に関する報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
弊社の場合、年度末近く3月くらいに「もう新規に産廃のマニフェストは出なさそう」という雰囲気をわたしがなんとなく察知(←ここ重要)した段階でこの報告書の作成に取り掛かり、提出可能な期間になったらすぐ提出してしまっています。この書類を提出しているかどうかというのが毎年のISO14001のチェック観点の一つになっている以上、ISO監査直前になって切羽詰まるよりはさっさと出しちゃう方がいいよね、というのがわたしの業務を行う上での基本的スタンスと言えます。
今年も4月初旬に早々に提出しています。こんな感じに。
▼まさかの差戻発生!原因は?
提出先から送付されたメールにはこう書いてありました。
「提出いただいた紙マニフェストの報告ですが、様式に誤りがあります。」
は????
つか昨年の様式と同じもの使ってるぞ!!
変えたところといえばフォントをMS明朝からBIZ UDゴシックに変えただけなんだけど???
そもそも昨年も同じようにフォント変えて提出して受理されてるんだけど???
じゃあ今年は様式が変わったのか???
わけわからん。フォント変えたのが行政担当のチェックに引っ掛かったってことか??
つーかこの担当者はフォント変更しただけで差戻食らわすのか???
行政書類なんて表の見た目と要求事項がすべて書いてあればOKだろうが!!
フォント変更なんてそんなの無罪じゃねえのかよ!!!!!!!!
▼フォントの話をします【ここから本題】
MS明朝やBIZ UD明朝Mediumといった明朝体フォント、こちらは「イチ」と「小文字のエル」、加えて「ゼロ」と「大文字のオー」の区別がほぼ不可能です。こういった半角英数字についての区別がしにくい問題は明朝体というフォントの「宿痾」(構造的な弱点)と言えます。ビジネスの現場においては、たとえば商品や取引先コードなどで数字とアルファベットが混合して用いられるシチュエーションなどが大いに考えられますが、その意味では明朝体は不向きであるとわたしは考えます。
またMSゴシックにおいては、イチ・エル・アイの区別こそ可能ですが、ゼロとオーの区別はやはり困難です。加えてMS系フォントについては字形の古さもあり、現代の環境ではやや読みにくさを感じる場面もあります。
みんな大好きHG創英角ポップ体では、前述の問題が全く解決していないのに加えて、半角数字の「1」と「7」の区別もつきにくいです。どちらも縦棒が斜めに入っているのが致命的で、誤読の可能性がゼロではありません。「見た目がアレなので提出先に失礼かも」という情緒的な理由を排除してもこの問題がある以上、このフォントは行政文書はもちろんのこと、スーパー等の値段表示POPであっても、使うべきでないと考えます。
一方でBIZ UDゴシックは誤読の可能性がきわめて低く(もちろん漢数字の「一」とオンビキの「-」の見分けがほとんどつかないサンセリフ書体特有のデメリットはありますが)、字形も洗練されていてすぐれたフォントであると断言できます。そのうえで上記の比較表をみると、ゼロとオーを目視で判別させる目的があるなら「BIZ UDPゴシック」を用いるのも一案でしょう。
なお、「UDPゴシック」の「P」について補足説明を行うと、フォントには「等幅フォント(すべての文字幅が同じ)」と「プロポーショナルフォント(文字ごとに幅が異なる)」があり、「P」と付いたフォントは文字ごとに幅が異なる設計になっています。
蛇足ながら、ゼロとオーの区別について言えば、「0」に斜線や点を入れることで、英字の「O」と区別する設計を採用したフォントもあります。わたしが会社PCのテキストエディタ等で使用している「あずきフォント」(参考リンク→こちら)はその一例です。
「文字」は意図が伝わってこそ「文字」。
だからこそフォントの選択は慎重であるべきなのです。
▼差戻の理由を電凸で確かめよう
気を取り直して、なぜ書類が差戻を食らったのか。ちゃんと確かめるために担当の行政課に電話してみます。
「和気相互建設の総務課です~。紙マニフェスト報告の様式が違うって言われた件の問い合わせなんですけど、フォント変えたのがよくないということなんでしょうか?」
「いえいえ、フォント変えたくらいじゃ差戻にはしませんよ~」
へ?????
フォント変更は差戻の原因じゃないってこと?
じゃあ原因は何なんだよ??
→ わ た し が
違 う フ ァ イ ル を
送 っ て た Y O !
以上、フォントの話をしていたはずが、ただの確認不足だった話でした。現場からは以上です。


