本日のテーマは「DX」、つまりは業務のデジタル化のお話です。
▼事務所から離れたところに現場はある。
建設現場って、だいたい事務所の近くにありません。現場の場所というのは契約ごとにまちまちではありますが、基本的に現場が事務所のすぐお隣さんみたいなことはありえません。
弊社は現場従業員の皆さんに対して直行直帰OKとしています。現場・事務所・労働者自宅の3つのスポットがそれぞれ離れていればいるほど、「事務所に立ち寄る」というのはめんどくささが倍増するわけで、結果として従業員の「働きやすさ」を損なう結果につながりかねないと言えます。労働時間管理についてもタイムカード等は使っておらず、現場の職長にあたる方が管理するということで、他社と比較するとなかなかにゆるい運用を残しています。とはいえ、まあそれはそれでいいか、というのがわたしや弊社代表の共通認識です。
で、この場合困ることとして一つあるのが「有給休暇の申請を行うためにいちいち事務所に立ち寄らなければならない」という問題。弊社の場合、事務所から現場までの距離が30kmくらいあった事例も存在したため、1日の業務を終えて有給休暇申請のためだけに事務所に立ち寄るっていうのは現実的に厳しいと常日頃から事務担当のわたしは思っていました。
▼Webフォームでの有給休暇申請を導入しました。
ということで、弊社では数年前からGoogle Forms(←無料で使えます)を利用した有給休暇申請を導入しています。基本的業務フローとしてはこんな感じになります。
1) あらかじめ従業員にQRコードを印刷しラミネート加工したカードを配布
2) 従業員が各自持っているスマホでそれを読み取って申請フォームにアクセス
3) 従業員が各自フォームに入力・提出
4) 会社のわたしのPCに提出があったことを知らせるメールが来たら事務処理
文字で書いただけだと読者の皆様はイメージができないと思いますので、「実際はこんな感じでやってます」というのをお見せします(画像クリックで拡大します)。




補足説明をすると、申請者はプルダウン式のメニュー、そして申請日についてはカレンダーから選択、という形になっています。「休暇の事由」についてはテキストで入力の必要がありますが、そのへんは「私用」とだけ書いてくれればいいです~♪とアテクシから皆様に説明しております。
それからフォームの各項目に説明としてアルファベット文字列がありますが、これは弊社の技能実習生への対応です(インドネシア語!)。わたしががんばってGoogle翻訳を駆使して書き加えたもので、技能実習の監理団体からも翻訳が正しいとお墨付きをもらっております。
みんな使えて、みんないい。
ちなみに労働基準法の決まりによれば、有給休暇の申請方法ってなにも規定がありません。書面でも口頭でも、もちろんこんなWebフォームでも可能です。現状は法律ゆるゆるで、運用方法が現場に投げっぱなしになっております。とはいえ、口頭での有給休暇申請は記録に残しようがないのでやめてちょんまげ~(←死語)というのが実務的なノウハウでしょうか。
なお申請された日について、会社PCに保存している「有給休暇管理簿」にその情報を転記して保管しておくのは労働基準法の定めのとおりです。これはずっと前から総務担当者のタスクではありますね。
▼運用開始!
結論から申し上げますと、みんなあっさりと使ってくれています。昨年度実績で言えば95%はweb申請になっていて、弊社では「有給休暇申請のDX化」は完全に浸透していると言っていいんじゃないかと思っています。そしてこのことがもたらすメリットとしては「現場の皆さんの手間の削減」の他にもうひとつ、「紙の使用量が明らかに削減される」ことがあります。そう、紙が消えてしまったのです。
嗚呼、なんて素晴らしいエコロジー!
わが社にISO14001を永久認定してくれ!!(←無理)
▼Web有休申請の運用で総務の業務は増えます。
さてさて、これを実際に運用するとなると、一つクリアしなければならない問題があります。それが「スマホ操作ミスによる誤入力・誤申請の可能性がないと言えるか?」ということ。プルダウン式の氏名選択を間違えて別の人の申請になったり、カレンダー上の日付選択ミスが起きたり、というのは容易に想像できる話ですし、建設現場の通信環境(中山間地域の山間部多し)により送信したはずの申請がサーバーに届いていないということもあります。
この対策として、事務担当が行う対策は唯一、これしかありません。
\(^o^)/本人への電話確認\(^o^)/
すなわち、事務担当者にとって、現場が休憩している時間を見計らって電話連絡を逐一行うというタスクが新たに生まれます。現場の方がダンプカー運転中で電話を取ってくれない場合(けっこうある)は、つながるまで再度電話攻撃するしかありません。しかしこれをやらないわけにはいきません。従業員が意図しない権利の行使を行っている可能性は絶対に排除しなければなりません。このあたりは、弊社のように現場従業員が10人程度の規模の会社だからこそできる運用なのかもしれません。
DX化は局所的にだったらローコストで実現が可能です。
とはいえ仕事の総量が減るわけではありません。
▼もうひとつ、副作用が露見しました。
そして無視できない副作用がもう一件。有給休暇申請に係る手間が圧倒的に減ったことにより、「まあ簡単にできるけえ、後で申請しとけばええじゃろ~(←岡山弁)」とばかりに後付けでの申請が激増したこと。こればっかりはどうしようもないです。
労働基準法的には原則としては事前申請とはあるのですが、実務では後付け申請がたくさんあるわけで。こちらとしても「後付け申請はダメ!ゼッタイ!」とは言えないのですよね。
▼結論
まとめるならば、仕事のやり方を変えてみたら仕事総量に変化はありません。むしろ事務担当のわたしとしてはわずかながら増えた、と言えます。
それでも現場の皆さんの負担が確実に減ったことは事実で、事務としては後方支援という形で現場の皆さんのサポートができてるわけなので、それはそれでいいじゃん、と思っています。めでたしめでたし。
▼余談
もともとの弊社のWeb版有休申請フォームは、有給取得の希望日が1日しか選択できない仕様になっておりました。それを上で紹介したような複数日をまとめた取得を可能にするように改造したアイデアは、わたしが帰宅後、寝入りばなにタブレットで流し見していた1本の動画がきっかけでした。
この最低の悪口動画(誉め言葉)が弊社のDXにすこし貢献したのです。
業務改善のアイデアなんてどこに転がってるかわかんないもんです。
ありがとうサーヤ。ありがとうニシダ。
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