インボイス制度があってよかった

 11月29日。弊社総務部は今日は11月の最終営業日ということで、ネットバンキングを駆使して請求の支払いを行う日です。まあ事前の仕込み作業をしっかりとやったうえで、本日もろもろの作業を無事に終えることができたからこそ、こうやってブログを平和に更新しているわけですよね。そう、平和。関係ないけど、もうすぐジョンの命日です。あなたがこの世から去ってずいぶん経ちますが、まだまだ世界は暴力に溢れ、平和ではありません。




会計にたずさわっていますと、月内のルーチンワークというのが確立されておりまして、今日みたいな月末ですと支払や記帳、金融機関がいつ来ても提出できるような資金繰表のまとめ、受注工事明細の整備であるとかのMUSTでやらなければいけないことを順序良くこなしていくわけですね。で、月が替わると今度は給料計算に加えて数多く届く請求書の処理を行っていって、でその合間に入札資料やら経審(建設業経営審査)の資料作成だとかもやっていく、という構図になります。


で、会計的なことを書くならば、インボイス制度。これですよ。会計・経理の業務を倍加させる、死ぬほどめんどくさいもろもろの雑事を一方的に現場に押し付ける天下の●●制度(自主規制)。さらには盛んに報道されたように、立場の弱いフリーランスの方にとっては、報酬額がクライアントによって一方的に値引きされるようなこともあったりして、こういうことが常態化することでひいては日本のアニメ・ゲーム産業を衰退させるきっかけになってしまうのでは?などとも言われました。こんなふうに各方面で悪評が絶えないこの制度。「賛否両論」なんて言葉で表現するのすら生ぬるくて、実態は言わば「非非片論」。個人的にもそりゃあ勘弁してくれよ、なんて制度の導入当初は思ったものです。もう慣れてしまったっちゃあ慣れてしまいましたが。父さん母さん、ボクはもう昔のボクには戻れないんです。


このインボイス制度。為政者ではないぼくらにとって、どうやったってディスることしかできないのかな、とふと思います。どんな(ワタシみたいな)ブサイクだって一つくらいは褒めるところがあるように(たぶん)、この制度だって何か重箱の隅をほじくり返したらいいことの一つくらいはあるんじゃないのか、ということを考えておりました。で、ようやく見つけました。インボイス制度がもたらした「功罪」のうちの「功」。


「インボイス制度は、長らく日本の悪しき商慣習としてまかり通っていた『振込手数料の控除を行ったうえでの支払』を(だいたい)終わらせた」


わたしが入社したころは、請求書に対する支払を、銀行の振込手数料を控除したうえで行っていました。銀行振り込みの際に振込手数料を相手負担にして振り込み処理を行うと、その金額(330円だとか550円だとか)が引かれた金額が請求元に着金する、という構図。個人的に会計関連の業務に就いていたこともあり、いろいろな会社さんの銀行通帳を見た経験があるのですが、当時はほとんどの会社でこういう商慣習が暗黙の了解として行われていたのは事実です。実際、TACの税理士講座のテキストなんかにはこのような会計処理が教科書のコラム的な扱いではありましたが、堂々と掲載されていたように記憶しています。


ところが、これがインボイス制度導入によって非常にやりづらくなった、という事実があります。ポイントとなるのは控除される330円だとか550円のなかに含まれる消費税額。これまでは請求代金を受け取った側(=振込手数料と消費税を控除された側)が、単に支払った金額を記録するだけで会計処理は終わっていました。一方で、インボイス制度はこのような消費税額を厳密に「誰が預かっている消費税なのか」を明らかにする制度ではあるので、請求代金を受け取る側が「請求元が預かっている消費税額」としている裏で、請求代金を支払う側は実際には銀行などの金融機関に対して支払った(=銀行が預かっている)消費税額」として記録をしてしまう、という構図が出来上がってしまい、矛盾が生じているというのが会計処理を難しくする一因となります。

そうなると「こういうのはお互いめんどくさいだけだからもうやめようよ」となるのは自然の摂理というわけで、ここ1~2年でこの風習は、少なくとも中小企業間の商取引では消えたように感じています。もちろんこれはわたしの肌感覚に過ぎないので、実際のところまだ行われていたらゴメンナサイ。

あと、中小企業間の商取引では消えた、と書きましたが、大手が下請企業に支払うお金はまだこういう控除がいけしゃあしゃあと行われているのも事実ではあります。個人的にはこれはもうしょうがない、として半ばあきらめの境地に達しております。(震え声)「(だいたい)終わらせた」と書いたのはそういう意味合いになります。


以上が、無理やり見つけ出した「インボイス制度」ちゃんのチャームポイントでございます。はいはい、かわいいかわいい。改めて言うけど、お前なんやねん。

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