技能実習生よ、ブックオフへ行け。

(長いです。)


 弊社も多くの建設会社と同じく、東南アジアからやってきた技能実習生を雇用しています。

技能実習生の制度自体については賛否両論あるのは重々承知しているのですが、ここでその話をするのはやめておきます。


今回書きたいのは「技能実習生に日本のマンガを読ませたい!」というお話です。


私は、技能実習生に対して、まずは簡単なコミュニケーションができるレベルの日本語をマスターしてほしいという希望を持っています。働くうえでコミュニケーション不和が起きてはならないというのはもちろんのこと、技能実習生自身が日本語で自分の話をすることで、日本人従業員にとっても異文化に触れる機会があるというのは貴重な経験になる、と考えています。


それと同時に、技能実習生が日本の文化に触れる機会を数多く提供したいという思いがあります。これは何も神社仏閣を見たり、日本食を食べたり、といったことに留まらない、幅広いバリエーションがあるのではないのかな、と思っています。そのなかで私が目を付けたのが日本のマンガ文化です。マンガ(とアニメ)の文化は日本が世界に誇れるポップカルチャーと思っていますし、実習生が日本語で書かれた漫画を読めるようになることで、日本語の学習にも役立ち一石二鳥じゃないか、と。


ただし「どんなマンガを読ませるか」というのはなかなかに難しい問題だったりします。これっていろいろ条件があると思っています。ざっと箇条書きにしてみましょう。


1)日本で人気があり年齢を問わずに面白いと言える作品であること。

日本文化に触れる機会ということをクリアするためには、まずは外せない項目。なお、「人気があった作品」でもOKではありますが、今の目で見ると若干古い(ストーリーと絵柄)かもしれない作品はちょっと考えたほうがよさげな気がします。たとえば日本のマンガの歴史を語るうえで外せない『ドラえもん』はコミックスだとさすがに絵柄が古く、アニメ版とのギャップが大きすぎるため向かないと考えます。



2)漢字にフリガナが付いていること。

日本語学習ということを言うならこれも外せません。わからない漢字を見せられても日本語初学者は読み方も意味も分からなければ、それを調べる手段も乏しいです。ということで、この条件だと少年誌掲載作品に限定されることになりますよね。



3)読むうえで背景の知識が前提となっていないこと。

ここでいう背景知識とは「日本」「ゲーム」を指しています。まずは「日本」。日本の歴史や社会といったことに留まらず、漫才の「あるあるネタ」のような暗に背景知識を要求するものは外国人にとっては難しいのではないか、と危惧しています。そりゃもちろんこのあたりの文化を習得できたときにこういう種類の作品に移行するのは大いにアリなのですが、初っ端に読ませるマンガとしては適さないんじゃないかな、と考えます。(ただし私自身は技能実習性の日本語能力の究極の目標としては『M-1グランプリ』や『キングオブコント』をリアルタイム視聴して笑えることだと思っているのですよ)


次に「ゲーム」。具体的には近年ライトノベル等で多く取り上げられる異世界転生モノ。これについては背景にRPGの知識と経験があることが前提になっています。その意味では外国人にとってはとっつきづらいと考えています。


4)セリフ等の日本語がきれいであること。

日本語学習を主眼に置くならば、こういうハードルもあるかと思います。あまりにセリフが口語に寄りすぎた作品は「学習」という面には向かないように思います。この意味で言えば、一番向いているのは『週刊少年サンデー』(サンデーうぇぶりのHPに飛びます)の連載作品ではないかと思います。


5)暴力やエロがあまり描かれていないこと。

不良文化を描いた作品は最初に読ませるのは適さないと言えます。この意味でバスケットボールマンガの金字塔である『SLAMDUNK』も若干微妙ではないか、と思ったり思わなかったり。

また前の項目で漢字にフリガナが付いた少年誌連載作品と書きつつ「エロ」を挙げるのは、「微エロ」展開も刺激が強すぎるんじゃないのか、という意味があります。や、こちらの目を盗んで『BOYS BE...』(私にはちっともえろくはないですがピュアでシャイな技能実習生には刺激が強いと思うのです)を愛読してくれる分には全く構わないですが、それとこれとは話が違います(笑)。



ざっと挙げるならこんな感じでしょうか。

で、うちの技能実習生に対してこんなことを考えて、私も自腹でブックオフで買って来たマンガを彼らが住むアパートに置いてきたのです。『ハイキュー!!』『弱虫ペダル』


後日。

「おう、アパートにおれが置いたマンガ読んだか?」

「読みました~」

「面白いだろ、マンガ!」

「面白くなかったです。。。」

なんでやねん。



今思えば『暗殺教室』とか『鬼滅の刃』とかでも全然アリだなー、なんて思います。




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